第4話「薬師のレナ」

「おはようございます」

「おはようにゃあ」

エルシーは今日も可愛い

朝ご飯を食べたらさっそく村に出る

「今日は薬師さんのところだっけ」

「そうにゃ、薬師のレナお姉さんだにゃ」

「ほむほむ」

村の中をとぼとぼと歩く

「ここにゃ、ごめんください」

「お、エルシーちゃんじゃん」

「レナさん、おはようにゃ、でこっちが」

「はい、迷子のカナデです、よろしくお願いします」

「カナデちゃんね、それで何用かなかな」

「今日はカナデ用にポーションを一つ」

「はいよ、ほい、これ」

「ありがとうございます」

エルシーが銀貨を払って受け取る

「それで、できれば調薬作業を見てみたいらしいにゃ」

「はい、是非見たいです」

「ふんふん、いいよ」

「ありがとうございます」

「ほら、これが新鮮な薬草」

「なんか見たことが」

「そうね、依頼で採ってきてもらったのと同じものだね」

「これを錬金釜で煮ていくんだ」

「なるほど」

しばらく様子を見た

「ところでエルシーとカナデはいい仲なのかい」

「えっ、まぁ仲は良いですね」

「どこまで進んだのかな、お姉さん気になる」

「にゃっ、ななな、進んだって一緒に布団に入るくらいにゃ」

「ほう、布団にか……」

「にゃ、にゃにもしてないにゃよ」

「なんだそうか」

レナさんが不敵に笑う

「なんかレナさんって魔女みたい」

「魔女かい、あはは、そりゃすごい」

「そうなんですか?」

「ああ、魔女はもっとすごいものさ」

「へぇ」

「でも強い力を持つものは疎まれる」

「あ、はい」

「だから迫害されてきたんだよ」

「そうなんですね」

「私はタダの薬師だから、大丈夫だけどね、あはは」

さて錬金釜はどうなったかな

「うん、これくらい混ざればいいかな」

「完成ですか」

「ああ、最後に魔力を通すんだ」

「へぇ」

異世界は不思議だ、魔力がある

「えいっ、どりゃあああ」

「ふえええ」

「はい、完成です、どうぞ」

「あ、ありがとうございます」

なるほど今日は勉強になった

ポーションってああやって作るんだ

回復用ポーションを購入したので

万が一怪我をしてもちょっとだけ安心だ

エルシーも自分用をカバンに入れている

やはりひとり一本は必須なんだって

「ギルドに行くにゃ」

「はーい」

マーサル村冒険者ギルド支部に向かう

「いらっしゃい、エルシー、カナデ」

「モーラさんこんにちは、今日のお仕事は?」

「今日は特にないかな、畑の手伝いがあるけど」

「あ、それは遠慮しておくにゃ」

「そっか、いつもそうだもんね」

「はいにゃ」

エルシーでも選り好みするんだな

ちょっと意外だったけど

変な顔をしたから何か過去にあったのだろう

「あのおばあさん人使いが荒いにゃ」

「あはは、そうなんだ」

「そうにゃ、そうにゃ」

「うふふふ」

続く……

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