第2話「マーサル村の一日」

「おはようございます」

「おはようにゃあ」

だんだん記憶が鮮明になってくる

そうだった、異世界に飛ばされて

エルシー、マーサル村、ターランド王国

「エルシー?」

「なににゃ、カナデ」

エルシーとも一晩一緒にいて仲良くなった

一緒に朝ご飯を食べる

村を案内してもらうことになった

「ふふ、ニワトリがいる」

「え、これが普通じゃないのにゃ」

「私がいた街ではニワトリはその辺にいなかったな」

「衝撃にゃあ」

「ふふふ」

そのまま通りを進む

「ここが教会にゃ」

そういえば左側に尖塔が見えていたっけ

「ようこそおいでくださいました、ラーシル教会へ」

「あ、ご丁寧にどうも」

「見かけない方ですね、エルシーこちらは?」

「この子は迷子のカナデにゃ」

「あらあら迷子なのですね」

「えっ……まあ、そんな感じです」

「それは大変ね、生活はできてますか?」

「エルシーさんの家でお世話になってまして」

「あら、それはよかったですね」

「はいにゃ」

「お友達ほしがってましたものねえ」

「そうにゃ、年頃の子はもうみんな街へ出てっちゃったにゃ」

そっか、過疎化が進んでるんだ

「しばらくはお世話になる予定です」

「いつまでもいていいにゃんよ」

「お世話になります」

「はーいにゃ」

村の下に広がる畑を見たりもした

野菜がずらっと並んでいる

昨日は草原と森を進んできた

「今日は山菜採りにゃ」

「山菜?」

「はいにゃ、薬草だにゃ」

「なるほど」

エルシーに教えてもらって薬草を採る

思ったよりは簡単だった

「これが冒険者の仕事にゃ」

「そうなんだ、昨日のミカンは?」

「あれもアルバイトの仕事にゃん」

「なるほど」

川もあった

「お水気持ちいにゃ」

気温は暑い位だったので、お水は冷たくて気持ちいい

「今季節ってなにかしら」

「そりゃ春にゃんね、晩春にゃね」

「ふむふむ」

6月くらいかな

梅雨ではないみたいだけど

昨日も今日も天気は晴れだ

「村長さんにも会うにゃ」

「うん」

村長だからと言っても普通の家みたいだった

「こんにちは迷子のカナデです」

「おっほっほ、よく来ましたね、村長のエルバートです」

「エルバートさんですね」

「そうじゃそうじゃ、ゆっくりしていってね」

「はいっ、村にお世話になります」

「いいのいいの、若い子が一人でも多ければ賑やかだからね」

「そうですね」

村長はいい人そうだ

御馳走を食べさせてもらった

「ごちそうさまでした」

「はい、またきてね」

こうして村での一日が過ぎていった

続く……

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