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 家の明かりがぽつぽつ消えているのを横目に再びゴミ場に戻ってきたハノとシルファ。ハノはゴミの山の中に入りある程度歩き目的の場所まで歩くとしゃがみこみゴミをかき分ける。


 ある程度深く掘り下げると一つの物体が二人の目に止まる。


「これは……ロボット? 人間かと一瞬見間違えるぐらいよくできてる」


 ブロンズボディー約二メートルの人型ロボット。自分が作ったパトロールロボットとはわけが違う。


「階段を作り始めた日と同日。暗黒から降ってきたゴミであり今を生きる物の希望、僕はジャンクマンと名前を付けてる」


「ダサくないか。もっとこうカッコいい名前にしてもいいと思うのですけども」


「これでいい。ゴミでできた救世主、シンプルで分かりやすいでしょ」


「んーハノがいいのなら、別にいいと思う。で、そのジャンクマンが希望ってのはどういう事?」


「この機体を詳細に確認したところ、ジャンクマン本来使用用途は戦うために作られた機械、いわば戦闘兵器。銃火器諸々兵器内臓、強度のブロンズアーマー……まぁほとんどの兵器が駄目になっていたけど」


「うへぇ、とんだ爆弾を隠し持ってるな。見つかったらシャレになんねえぞ」


「確かにジャンクマンが他の誰かに見つかれば争いの火種になるか、分解されて街の一部になる。けど僕が最初に見つけ半年間隠しながら修理し続けた理由は、この兵器に宿る力を確認するため」


 ジャンクマンの太もものゴミをどかし、埃を手で拭うとcopper featherという文字が浮き出てきた。


「『copper feather』直訳するとブロンズの羽。つまり飛行能力を兼ね備えているかもしれないそう信じ続け今日修理を終えた。けど肝心の電源、ジャンクマンを動かす動力源が分からない。見たことのない電源パーツ、だからといって下手に分解するとこの地下文明の技術では元に戻すことが出来なくなる」


「だから希望ってわけか」


「そう」


 シルファに見せた後ハノは再び誰にも見つからぬように深くゴミの中に埋めた。


「……何で俺に見せたんだ。まだ起動できないのに」


「僕達が地上に行くのは無理じゃない、そう思ってほしかった。動力源だって僕はこのゴミの山からきっと見つけて見せる。だからあと少し待ってて」


「……ふふっ、あっはっは。期待しすぎないように待ってるよ、ハノ」


 シルファは大きく口を開け、ひとしきり笑った後ハノに手を差し伸べる。


「もっと期待しててくれ」


 ハノはシルファの手を叩くと今日を終わらせるために二人で住んでいる家まで歩き始めた。


 帰りの二人はただ他愛もなく、年相応のくだらない話をして家に着いた後も仲良くご飯を作り、食べ終わると明日に備え床に就く。


 ジャンクマンという希望もある。すぐに君を空に、地上に連れて行って。何でも治す医者になるという夢を崩させないためにも。そう思いながら眠りについた


 また明日もいつものように目が覚め、いつも通りに仕事が始まり終わると二人で地上を目指す。


 そんな日が明日も来ると思っていた。

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