第5話・お疲れ振る舞い

皺宦官に代金を支払い厨房に注文した品が、届いた・万頭に点心・ちまちきと汁物に菓子・干し果など想像したより多めだった。少ないより良いかぁ。


案内宦官に掃除の褒美だと伝えると礼を言われ直ぐに居の入口に大卓と椅子が、用意される。


近くに荷車を並ばせ大皿に盛られた数種類の万頭と点心に汁物が、大卓に置かれ無造作に選んだ万頭と汁物を宦官が、毒味・続いてわらわが、万頭と汁物に口を付け皆に下賜する。


手伝い人は、ひとりひとりわらわの前で礼を述べ始めるが、面倒なのでまとめて礼をさせ後は、無礼講だと伝える。


一列に並び万頭・春巻など好きに点心を皿に盛り汁物を貰い笑顔で各々好きな所で食べている。

娃鈴も大卓に付き食べ始める。カリカリの海老入り春巻に様々な具材を入れた色取り取りの点心は、そのままでも旨く。大きな肉まんは、娃鈴と分けて食べる。茶も上物のウーロンを煎れてくれ。食べ進めるが、元より少食の為直ぐに腹が、くちくなり。ひと休みする。


老宦官が、次の大皿に菓子・干し葡萄などの盛り合わせを置いたので、皆が楽しそうに食べるのを羨ましそうに空いた器を回収する厨房の少年宦官達を呼びつけ口を開けさせ強制的に小さい菓子を食べさせる。次に万頭に毒が入ってるかもとそれも口にネジ込んで

「旨いだろお主らが、食べたことの無い上食だぞ。さっもっと食え。きゃは」


口をモゴモゴさせ礼を言う少年宦官の後ろで礼を言う老宦官と案内宦官達にも残ると勿体ないお化けが、出ては困ると食べて貰いながら居での心得と食事や水などの生活環境を聞き出す。


焼き菓子と干し杏を取って貰い食べるが、そろそろ腹いっぱいで万頭と揚げた点心を蓋付き器に入れ明日の分と笑う。日保ちしそうな菓子や干しブドウに杏も次の器にパンパンに詰めたが、まだ残る。


老宦官を呼び寄せ坊の預り子(育てている)人数と年齢を聞けば、もうひとりの年寄りと幼い者達5人を教育世話をしていると言う。


荷車に付きそう少年達の細い首や少し痩けてる頬を見て思う。子供の頬っぺたは、ぷくぷくが1番。皺宦官と坊に持たせる分も取り分けて貰う。


粗方取り分けた残りは、好きに食べてくれと下賜したらあっという間に無くなった。残るか心配したが、取り越し苦労だった。


腹いっぱい食べ笑顔の皆に礼を言われ

わらわの心も満腹じゃ。


老宦官と案内宦官が、重そうな木箱を荷車より下ろし居の中に置く。


「貴姫さま生憎・厨房には、貫(現金)が、置いておらず注文代の釣りにと厨房から預かって参りました。お納めください」


貴姫は動く者では、無いので娃鈴に確認して貰う。


「塩に干しもの、ひめさまのお好きな干し杏も入っております」


粋な計らいで、干し茸・米・塩など30種ほどの食材に竹の蒸し器と真新しい小ぶりの中華鍋が、箱に詰められておりガッツポーズ決めそうになったが、ぐっと堪え頷いてみせた。食材ゲットだぜぇ。









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