10話 隣に潜入・美少女を襲う

今日も元気に畑仕事〜刈り取った雑草は、堆肥にすべく隅に積み上げる。


薪と水を届けてくれた宦官に焙煎したタンポポ茶を馳走してる。


汗と土で薄茶色になった。元は白かった手縫いの綿筒服に気を緩めてるのか最近では、後宮の噂話しなどを内緒だけど、と教えてくれる。


退屈してるふたりには、良い刺激じゃ。内緒だけど・と話し始めた内容が、ヤバいかもしれない話だった。


「隣の香陽さまだけど、お付きの人が、全部逃げてしまって…いまは何も知らない下女ひとりが、面倒見てるけど、奥へ薪を運ぶ時…チラリと見える姿が、いつも同じ衣装で部屋の中も変な臭いが、するんだよ。まさか…し…」最悪の想像をした宦官は、口を押さえ内緒だからねと言い帰って行った。


情報は風に乗って〜人の口からやって来る。お隣の香陽さんは、同い年だからさん付けでいいだろう。ここに来た訳は、寵愛を受けた時怖くて帝の顔を傷付け逃げ出した。


恐れ多くも帝に傷を付けた者は、死罪だけど本当にちょびっとの傷だったのと一緒に入宮していた。姉が妹の罪の軽減を願い出て、帝に見初められお手付きになり結果死罪を免れた妹は、廃姫になった。結局姉も1度だけの寵愛で、後宮の何処かにいるらしい。


「なんかヤバいかも」

「何がですか?」

「お世話出来る者も居ず椅子に座りぱなしで異臭がする。本当に死んだ?」「でも下女は、居ますからお世話してるはず、あっ無理かも」

「衣装の着せ方も知らぬ者が、世話など出来るはずも無い。隣に行くぞ」「ここから出るのは、駄目ですよ〜。かんぬきも掛って出る事は、出来ません。出れても見付かったら独房ですよ〜」

「すぐ隣じゃ。この姿・誰も貴姫とは、思うまい。見付かる前に戻れば良いのじゃ」


思い止まらせようとあれこれ言い頑張る娃鈴だが、言い出したら聞かないわらわの性格を知っている。


鎌で門の隙間から閂を持ち上げ外し〜外に誰も居ないのを確認。いざお隣へ突入〜タンポポ茶のお土産持って&もしかしてと綿布とドクダミ原液も持参した。


ここも雑草が〜生えて無い〜石庭だった。石の隙間にドクダミ発見と走り寄ろうして娃鈴に捕まった。


ひめさま声を潜める娃鈴が、差し示す方向には、下女がひとり外の椅子に座り居眠りをしていた。


居の中は、動く人の気配も無く下女を揺すり起こす。慌てて足元でひれ伏し震える下女に貴姫の日常を聞いてみる。


下女が送られた時には、すでに椅子から動かず寝るのも椅子の上。


「最近はお粥も食べなくて、水は少し飲むけど近付くと怒られるから」

下女がするのは、陶器の鈴が、鳴り排泄の世話と1日中焚かれる太くて長い線香を準備・火を点けるだけだ。


戸口の布の隙間から覗くヤバいこの暑さにあの重装備。香陽に怒られると引き留める下女を捨て置き入り口に掛かる布を剥ぎ取り中に入る。


甘い香の香りに混じり独特の臭いが、する。「全ての戸口を開けよ。女…そなたは諒俊と医者を呼んで参れ。娃鈴は布団をここに整えよ」香炉の線香をへし折る。


椅子の側を差し背負った荷物を広げる。湯が沸くまで、貴姫に匙でゆっくり水を飲ます。体が熱い感染症を起こしているか。


「だれ…な…」「しゃべらずに隣の奏麗華です。さっも少し水を」


娃鈴はうっすら白い絹の布団を外に放り出し。ホコリを払い床に敷きその上に清潔な手作りシーツを引く。


「失礼いたす」重い髪飾りを外し ホコリぽい上掛けを3枚脱がせる。

「無礼な…」抵抗するが、わらわには、勝てぬ否その力すら無かった。


内着を2枚脱がす臭いは、更に強くなった。これ以上は、座った間までは、脱がせず。


「失礼」香陽の腰に肩を付けてくの字に持ち上げる。痩せても人ひとり〜おっ重い…頑張れわらわの雑草パーワー。引き摺り落とすように足元に引いた布団に寝かす。


布団ごと戸口近くに運び。外腰布2枚を引き剥がしていく。


「なにをする…やめ…無礼者…誰か…」必死に抵抗する。顔を押さえ恐怖に怯える香陽の眼に語る。


「死にたいならここで止めますよ。会いたい人は、いませんか?」

大きく見開いた香陽の瞳からポロリと泪が、溢れた。


やつれても美少女は、可憐だ。

「かっ…母さまに会いたい」

後宮に入った者は、どんなに切望しても帰る事は、出来ない。


溢れる涙「出た水分補給に…白湯を」2度目の水分補給。

さてここからだ。先ずは自己紹介。

「お初になります。わらわは、隣に越した奏麗華。突然のご無礼ですが、この臭い…腰布の汚れ。見なかった事に出来ません。手当てをいたしましょう」「先ずは手足から拭きますので」この臭いは間違いなく褥瘡だ。


長い間同じ姿勢で圧迫された箇所は、血流が止まり。筋肉が、えそを起こし皮膚が崩れ化膿し更に肉が腐る。


寝る時も重い衣のまま椅子に座り続け・尾てい骨付近の柔らかい尻の肉が、褥瘡を起こしたのだろう。化膿が進んだ膿の臭いがする。


今すぐ全てを剥ぎ取りたいが、ここはぐっと我慢して先ずは、手や足先から攻めて行こう。患部は医者に丸投げじゃ。痩せておる手首からドクダミ茶と湯を混ぜた薬湯で拭く。


手足を拭き白湯に少し塩を混ぜ飲ます。も少し攻めて2の腕とふくらはぎを拭いたら次は薄いタンポポ茶と繰り返ししていたら一個団体が、駆けつけた。よし…わらわの仕事は、ここまでじゃ


「麗華さま・・何をなさいます」

声を荒げる諒俊。


そりゃ〜ふたり掛かりで、美少女の衣を引き剥がし床の布団に転がしイケない事は、していません。後は駆けつけた医者と娃鈴に任せた。


諒俊に薪運びの噂から何事も無ければ、帰っていた。と可愛く笑って見せれば、デコに皺が寄った。


後ろから医者が、呼ぶので立ち会う。やはり臀部に褥瘡・床擦れが、出来ており化膿が、進んでいた。


娃鈴が、持参した綿布を切り裂き香陽姫の腰上と太ももに掛け。化膿した箇所だけ見えるようにしてた。

ドクダミの薬湯を消毒薬の変わりに患部付近を拭き取る手伝いをしている。


濃いドクダミ茶で洗い固く絞った綿布で膿を受け止め・損傷箇所の回りを拭き取る医者。これはと聞かれた娃鈴は、ひめさまからの指示ですと言う。


チラリとわらわを見て「ドクダミ姫…」はい〜ドクダミ大好き貴姫は、わらわでぇす。


また外が、騒がしくなり 逃げた侍女達が、連行されて来た。3人+何も出来ない下女が、ひれ伏し震えている。


「無知とは、残酷なものだ。身の回りの世話をし姫の心に寄り沿っておれば、知識が無くとも共に生きて行けたであろうに」


下女の耳に届いたか、届いても理解出来ない〜だろうな。さてわらわは、これからお説教タイムが、待っている。耳栓持って来て良かった。

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