これで逆転
運動会はその場で中止になった。マスコミが来てインタビューを受けた子がTVに晒された。熱中症の生徒は全部で3人。熱中症の影響はなかったが、マイナスの意味で学校の宣伝になってしまった。先生が管理のなさを追求されたが、深い傷を負ったのは杏の心だった。そして、その傷を隠して次の生徒会の選挙、引き継ぎを行い受験へと向かった。杏は予備校には通わず図書館で勉強した。赤本と付箋があれば充分だった。それに1人じゃなかった。そばにはいつも聖美がいた。聖美も予備校には通わず、図書館で勉強した。した。杏は生徒会にまだいる気分で集中出来た。お互い学部は違うが、同じ大学を狙っていた。杏は外国語大学のフランス語学部。聖美は外国語大学の英語学部を第一志望にしていた。聖美は自分の気持ちを確かめる意味でも、出来るだけ杏の側を離れなかった。2人はいつも一緒だった。あきなかったし。それがしんどくなかったし、楽に感じた。お互いに助け合ったし、考え方も似てきた。もはや、お互いに親友を超えた存在になっていた。そして2人は希望の大学へ進学を決めた。次は中学生の受験で毎年生徒会が手伝い、在校生として、3年生も手伝っていた。聖美と杏は今年は受験生は少ないだろうと覚悟していた。何故なら、運動会での出来事のせいで学校のイメージが著しく下がってしまったからである。がしかし、実際の受験者数は過去1番多かった。聖美は喜ぶと同時に疑問に思った。何故こんなに数が増えたのか。それは、聖美が声かけたチア部と杏総勢14名が1日1人同じダンス動画を投稿し続けたのだ。それも何ヶ月もダンスは全員ミスなく終えたが、杏は動きがロボットのようでカクカクだった。コレがバズって学校が人気になったのだ。この出来事で杏の心も晴れた。正直実感はなかったが、学校も救えたし良かった。
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