これが恋っ?!
9月下旬、3年生になり、生徒会として最後の行事の体育祭が近くに迫り周りがバタバタしていた。これが終われば一気に受験モードに入る。秋には文化祭もあるが、クラスの参加は無く、部活動の参加のみだった。体育祭は晴天で9月としては稀に見るほど暑かった。生徒会にはテントが与えられ、放送の仕事もした。2人はテントの中は蒸されて暑かった。リレーの選手に2人とも選ばれた。リレーでは、聖美から杏にバトンが渡された。バトンを受け取る際、聖美のあんな必死で汗をかいている表情を初めてみた。その表情に胸が弾むようにトクンとなった。バトンというか、何か言い表せられないけど、想いみたいなのも受け取った気がした。競技中は紅白と分かれるがダンスの発表はクラスごとだった。上から順に3・2・1年となり、最後のクラス。1番日差しが強かった。すると、その場で立ち上がれず気分を悪そうに座っていた。熱中症の疑いがある。すると、杏がすぐさま駆けつけた。誰より先生たちよりも早く。私は杏の背中を見つめるだけで、一歩も動けなかった。やっぱり、杏はカッコいいし、スゴイと思った。私には出来ない事を平気な顔してやっている。完全に目線を奪われた。私は杏に完全に惹かれている。胸が高鳴るのを感じた。心臓がリズムを刻んでるのが分かる。これが恋?気持ちを伝えたい思いはあるけど、ひかれて嫌われたらどうしよう。嫌われたら一生振り向いてもらえない。そんな恐怖もあった。親友だと思ってたのに、突然告白されたらどうしよう。しかも、同性に。そんなことを考えた。杏に対して好きな気持ちがあったが、伝えられず隠してしまった。杏の側にいれたら、そんな想いが強かった。
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