第3話

 わたしとリアムちゃんのクラスはE組。私とリアムちゃん含めて4人。赤髪赤眼の鬱陶しそうな男と、金髪緑眼のお嬢様って感じの女が他のクラスメイトだ。何でもこのクラスは、大の問題児クラスなんだって、リアムちゃんが言ってた。てことは…?


「リアムちゃん…一体何したの?」


「何もしてませんよぉ…」


 むむむ?無自覚系か。一番グロいタイプだ。


「失礼なこと考えてませんか…?」


 おっと、勘が鋭い。


「そんなことないよ、わたしはココノツ。よろしくねリアムちゃん」


「むぅ」


 納得してないみたい。拗ねた顔もかわいいね。小動物的な何かを感じる。

 というか、視線こっちに向きすぎ?もしかしてリアムちゃんの小動物的かわいさにいちころとか?

 このクラス唯一の男がこっちにやってくる。


「おい!なんで平民がこの学園にいるんだ!」


「だれこいつ?」


「ココノツさん…!?ダメだよ、お貴族様に楯突いちゃ…!」


「わたしもお貴族様」


「ええ!?」


 あ、やっぱり知らなかったんだ。まあ、お貴族様らしさはかけらもないからね。

 あわあわしてる。かわいい、癒し。


「おい!無視するな!!」


「うるさいなぁ。なんでって、強制されたからだよ。わかった?騒音迷惑ばか」


「な、なんだとぉ!!」


 ははは、これじゃ騒音迷惑ばかじゃなくて知恵なし猿だね。

 ぱしん、と小さい音がした。音の方を見ると、金髪ちゃんが扇子を手に持ってた。


「うるさいですわよ。誰が来ようといいでしょう?このクラスにいるっていうことは、嫌がらせをも跳ね除けた強者だけなのですから」


「「え、嫌がらせ?」」


「「え?」」


 そんなの受けてたの?リアムちゃんもしってたの?


「嘘でしょう?すごくわかりやすかったですわよ?」


「そ、そうですよ?入学テストで、中級魔法を撃てとか、剣術で教師を叩き伏せろだとか、普通はしませんよ?」


「あんな簡単だったのにか?」


「だよね、中級魔法くらい簡単でしょ」


「だよな!あの試験管とかいうやつもてんで弱かったしよぉ!」


「わかる。あれで教師とか失笑ものだよね」


 なんだ、猿かと思ったけど、なかなか話が合うじゃないか。ごめんね?猿って言って。


「怖いですわ…引いてしまいますわ…」


 わたくしでもギリギリ合格でしたのに…と、金髪ちゃんが呟いてる。


「す、すごいね…!」


 リアムちゃんはかわいいね。

 む?この気配、もしかして……


「おい騒音やろう。わたしのリアムちゃんに色目使ってんじゃねえよ」


「つ、使ってねぇよ!あと騒音やろうじゃねぇ!おれはロウムだ!」


「はん、どうだか。リアムちゃんはかわいいからね」


「はわわ…」


 ほら、聞いたかいまの「はわわ」!かわいすぎる。


「それよりもよ、担任遅くねーか?」


 チッ、話そらしやがって。

 そらしてねーよ!って聞こえる。何でわかんだよ。顔に出してたからか。


「確かに、遅いですわね」


「わ、わたし職員室へ確認しに行きましょうか?」


「いや、行かなくても大丈夫だよ」


 リアムちゃんが言った後、扉を開けて男の教師が入ってきた。

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