第4話
朝が来た。今日も家でネットサーフィンするだけの1日…では無い。
そうだ。僕は小学5年生になったんだ。
「マサトー!ごはんよー!」
母の声が聞こえる。素直に降りるのは抵抗があるが、今は小学生だ。難しい事を考える必要は無い。何よりまた結衣お姉さんに迷惑をかけたくないし。
「いただきます…。」
まともに家族とご飯を食べたのは何年ぶりだろうか。いや時間が戻ってるから何年ぶりとかいう話でも無いんだろうけど。
今日も結衣お姉さんに会いたいな。
何か口実でもあれば…。
「あ、そうだ!眞斗、ゴミ出し行ってくれないか?」
父さんが行けよめんどくさい…。
そう思っていると、不意に隣の部屋の扉が空く音が聞こえた。
これは結衣お姉さんと会うチャンスじゃないのか?
「分かったよ父さん!行ってくる!」
少しかじっただけのトーストを置いて即行でゴミ袋を持って部屋から出る。お姉さんも居る。
「ゆ、結衣お姉さん!お、おはよう!」
緊張で少し吃った。
「あ!まー君おはよう!ゴミ出し?偉いねえ〜。」
スっと僕を褒める言葉が出てくる。ますます結衣お姉さんのことを好きになってしまった。
「う、うん。」
下まで降りてゴミを出した後、僕は意を決して聞いてみた。
「結衣お姉さん、今日って…」
「ん〜、私は大丈夫だけど…まー君は今日学校じゃない?今日は月曜日だよ?」
学校…?あっ…。
行かなくなって早1年、すっかり存在を忘れていた。
「そ、そそそうだったね!」
学校…!ダルすぎる…。クソッ!
「あぁ…そんなにガッカリしないで。」
そう言うと結衣お姉さんは僕の手を握りしめて不意に顔を近付けてきた。
「お姉さんがまー君を応援しててあげるからね。月曜日は辛いだろうけどお姉さんと頑張ろうね。」
優しさが心に染みる。大好きだよちくしょう。
…学校と言えど所詮は小学校。仕方ない、行くか学校。
第4話 [完]
5年前に僕の前からいなくなった優しいお姉さんとタイムリープしてイチャイチャする話 五十嵐邦夫 @Igarashi_kno
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