第40話 アイスのくじ
☆双葉サイド☆
10月になった。
それから6日に.....なる。
日曜日であるが。
約束していた通りだが相模の家でパーティーが始まった様だ。
まあパーティーやら交渉やらとは言え。
相模が代表取締役になったり。
経営を止める事を前提として相模を説得する場になると思うが。
考えながら私は自宅で洗い物をしていた。
当然の事だが私達は行けない。
そう思いながら私は洗い物をする。
すると横からお姉ちゃんが、手伝うよ、と言ってくれた。
私はお皿を任せながらそのまま拭いてもらう。
沈黙だけが過ぎていく。
そうしていると.....お姉ちゃんの手が止まり。
私に切り出してきた。
「.....私はこれで良かったと思う?」
「良かったも何もこれが最善の選択だと思うしこれ以外ありえないよ」
「そうだね。確かにね.....でも」
「.....」
瑛一さんもそうだけど。
嘉やみんなに迷惑をかけてありえないね、と自嘲する。
私はそんなお姉ちゃんを目だけ動かして見る。
そして大欠伸の真似をする。
それから、あー。何だかアイスが食べたいなー、と棒台詞を放った。
「アイスってもう10月だよ?」
「それでも良いからアイスが食べたいから買ってくるねー」
「.....もう。欲張りだね」
「私はいつもこんな感じだから」
「そうかな?そうは思わないけど.....」
でも確かにね。
10月とは言っても暑いしね、と切り出すお姉ちゃん。
私は、でしょ?、と言いながら笑みを浮かべてお姉ちゃんを見る。
お姉ちゃんは、うん、と言いながら手を拭いてから、じゃあ一緒に買いに行こうか、と笑顔になる。
私はその顔に、そうだねぇ、と言いつつ財布を持つ。
それから玄関ドアを開けて表に出た。
☆
「アイスって何を買うの?」
「私は有名メーカーの高級アイス。お姉ちゃんは?」
「そればっかりだね。じゃあ私も」
「同じ物だね?それ意味無い」
そんな会話をしながら私達は近所のコンビニに入る。
そして歩いてからアイスのショーケースを覗く。
そこには沢山のアイスが並んでいる。
私はそのアイスの並びを見てから朗らかになる。
お姉ちゃんがからかってきた。
「アイスで子供だね」
「アイスで子供って.....そんな事ないもん」
「いや。私はそう思うね」
「もー」
そしてその様な会話をしつつアイスを選んでいると。
お姉ちゃんの。
いや。
私のスマホにも通知が入った。
それは.....お兄ちゃんからだ。
直ぐに私はハッとしてからアイスを置いてから開くと。
(相模一族は経営に関して諦めるそうだ。代表取締役とか社長になるの。.....ここで撤退するのが勝ちになると悟った様だが)
「.....そうなんだ.....」
「諦めた方が身の為だろうね。豚に真珠かと思ったけど.....一応相模には真珠が効いたんだね。まあ権力者も居ないしね.....」
「まあそうかな。本当に反省していれば良いけど」
「.....どうだろうね」
アイスを選ぶ手が止まる。
だけどその中でお姉ちゃんはアイスを選ぶ。
そして私に手渡してきた。
それは当たりのあるアイスだ。
これで占ったら良いんじゃないかな、という感じで言葉を発する。
「当たりが出たら私達の勝ちみたいな」
「相変わらずお姉ちゃんは能天気だね。.....でも確かに今はこのアイスに賭けてみたいかも。10000円が当たるって書いてあるし。最高額で」
「まあ10000円は無理だろうけど。何か当たるかもよ」
「そうだね。お姉ちゃん。.....今は複雑な心情だから」
「うん」
そして私達はアイスを買った。
それからお金を払ってから.....店から出てから早速食べ始める。
チョコミントは苦手なのだがチョコミントのフレーバーだった。
だけど今はそんなに苦痛でもない。
考えながらそのまま食べ進めると棒に3等と書かれており。
1000円当たった。
私は目を丸くする。
お姉ちゃんも驚いていた。
「当たるなんて凄いな」
「でも10000円じゃなかったね」
「それでも当たれば凄いと思う。この棒を送ってから?住所.....」
「そうだね。.....確かそうだったと思う」
正直10000円じゃなかったけど。
でも幸せだった。
当たったからにはそれなりの事もあっても良いと思う。
決して生活とか出来ないけど。
だけど博打で勝ったのだ。
「.....」
「双葉?」
「私達は良いのかな。このままで」
「双葉が言っちゃったら意味ないよ。.....だけど私はこのままでも良いと思ってるよ」
「.....」
「そうだ。双葉。この後.....時間ある?」
「え?時間ならいっぱいあるけど」
「じゃあ市民会館に行こう」
市民会館?、と私は不思議に思う。
するとお姉ちゃんは、まあ何というか描いた絵。美術の先生が大きく飾りたいって言って.....あの向日葵の絵を、と話してくる。
私はビックリ仰天する。
「え!!!!?何でそれもっと早く言わないの!?」
「だってそんなのどうでも良いっておも.....」
「どうでも良くないよ!?.....もー!!!!!お姉ちゃんのアホ!」
「アホ!?」
だってそうでしょ!お姉ちゃんはアホだよ!そんなの誇ったら良いのに!、と大慌てで慌てる私。
だがお姉ちゃんは何か進まない顔をしていた。
私は散々悪い事をしていたからね、と言いながら。
その言葉に私はお姉ちゃんの手を引く。
それからアイスのパッケージのゴミを捨ててからコンビニから早足になった。
「まあそうだけどね。.....だけど私はお姉ちゃんの絵が見たいよ」
「.....双葉.....」
「気分モヤモヤだしね。是非とも観に行きたい」
「.....」
お姉ちゃんは複雑な顔をしながら、言わない方が良かったかな、的な顔をしていた。
私は、そんな事ないから、とツッコミを入れる。
その言葉にお姉ちゃんは驚きながら。
そのまま恥ずかしがった。
俺の彼女が浮気したのだがその彼女の妹がその彼女に逆襲を仕掛けようと提案してきたのだが アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou
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