第38話 堕ちた魔王

☆雄大サイド☆


結論から言って相模一族は自らの首を絞めている気がする。

つまり代表取締役は勝手に自壊。

自滅になる気はする。


ただしその為には.....相模が変わらないと意味がない。

相模が今現在のキーになっている部分もあるから。

そう思いながら居ると.....三族がパーティーを開くと言い出した。

合同パーティーであるが。


「その場で決着でもつけるつもりか」

『だろうな。決着をつけてどうするんだ、って話だけど』

「.....でも良いきっかけじゃないか?それって」

『そうだな。警察沙汰になる前にどうにかしたいんだろ。どっちも』

「.....だろうな。逮捕されたら終わりだしな」


俺は瑛一と話していた。

瑛一は苦笑しながら肩を竦める様に話す。

深く考えながら俺は盛大に溜息を吐く。

そして、お前も参加するのか、と聞いてみる。

すると瑛一は、まあ親が主催だしな、と苦笑いで言葉を発した。


『取り敢えず俺も参加するよ。何ならお前も参加するか?』

「まさか。そんな身軽に参加できるのか?」

『やろうと思えばできるぞ。ただ.....色々絡まれるかもだけど』

「.....いいや。面倒いからな。だけど.....一葉は」

『一葉ちゃんは呼ばれるかもな。もしかしたらだけど』


そうなったら面倒だな。

と思いながら、瑛一。とにかく.....、と切り出すと。

瑛一は、一葉ちゃんは強制参加かもな。だからなんとか阻止したいけど、と話す。

俺はその言葉に、まあそうだな、と眉を顰める。


『良い加減にあのおっさんの手玉になるのも大概だけどな』

「そうだな。.....あのおっさんってのは.....」

『相模一族だな。代表取締役』

「.....そうだな」


そうしてニュースを観ていると。

ニュースキャスターがとんでもない事を言い出した。

それは相模スーパーの経営陣の話だ。

相模の親父が捕まった、と出たのだ.....。

.....え?


『.....?.....どうした?』

「おい。瑛一。相模が捕まったぞ」

『..........何.....』

「親父の方がな。.....捕まったって出ているぞ。速報で」

『.....!?.....マジ.....か!?』


瑛一も驚愕しながらテレビを点けている様だった。

それから代表取締役はご破産になったって書いてあるぞ、と俺は伝える。

うわ!?マジじゃないか、と驚く瑛一。

何が起こったんだ、と思って俺達はテレビを観ていると。

傷害罪.....?


『傷害罪?』

「.....従業員への傷害罪だな」

『待て待て。何をしたんだ』

「俺に聞くな。俺も今知った」

『いきなりこうなるとはな』


そして見ていると。

相模の親父が内部通報によって捕まった、と書かれている。

俺は、!、と思いながら観ていると。

瑛一が、成る程な、と納得した様な声を出した。

あの親父さんなら考えられるな、とも。


「警察がずっと前から捜査していたって事か」

『まあそうだろうな。目をつけられていたんじゃないか』

「.....」

『正直言って内部通報したのもそれを知っている輩だな』

「.....そうだな」


俺はそう考えながら見ていると。

スマホに通知が入った。

それは双葉からだ。

双葉は、何か捕まったって書いてある、という感じでネットの記事を載せる。


『.....とは言っても捕まったところで.....何か変われば良いけどな』

「.....」

『相模一族はみんな捕まった訳じゃないから。叔父とかな』

「.....面倒な事になりそうだな」

『ただ相模の親父が捕まったとなると多分.....結構色々と変わりそうだな』

「やっぱりそう思うか」

『思うな。その辺りは詳しくないけど』


叔父ってのはどんな奴なんだ、と聞くと。

時計のメーカーの社長だな、と答えた。

だけど今はもうただの飲んだくれだけど、と話す瑛一。

そらクズだな。

考えながら俺は額に手を添える。


『とにかく今から全て確認してくるぜ。.....また明日かな』

「ああ。また明日か。取り敢えず変革が起こる事を祈ってる」

『俺に祈られても困るぜ』

「ああ。だけどお前が頼みの綱だしな」

『.....俺はそんな大きなもんじゃないぞ』


大袈裟だな。まあじゃあな、と電話は切れた。

俺はそれを確認してから、双葉。すまん。ありがとうな、とメッセージを送る。

すると双葉は、うん。大丈夫、とメッセージをくれた。

俺はその言葉を確認しながら、衝撃だな、とメッセージ。

双葉は、そうだね。結構衝撃かな、と返事をくれた。


(ずっと前から目をつけられていたのかな)

(既に児童虐待で目をつけられていたんじゃないのか)

(警察さんグッジョブだね)

(.....どうかな。俺としてはちょっと怖いけどな。.....相模が残されたし暴走するんじゃないかってな)

(やっぱりそう思う?)

(そうだな。これで終わりじゃないと思う。相模一族はまだ居るらしいしな)


叩いても叩いても埃が出るんだね、と眉を顰めた様な文章を送ってくる双葉。

俺は、そうだな。Gとかじゃないけどそれに似た感じかもな、と送る。

そして俺は聞いた。

双葉。一葉の様子は、と。

すると双葉は、うん。落ち着いてる。ちょっとビックリしているみたいだけど、と送ってきた。


(だろうな)

(うん。これからどうなるんだろうって不安になってる)

(そうだな.....)

(取り敢えずこれ以上何も起こってほしくない。.....みんな幸せになってほしい)

(.....そうだな。せっかく手に入れたもんな)


経営者が捕まっても相模が暴走してほしくないし、とも言う双葉。

言い聞かせたけどまあそれも難しいだろうな。

多分.....、と思う。

アイツがどう思っているか、だな。

そう考えながら俺はスマホに目を落とした。

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