第37話 三族の決裂の動き
☆双葉サイド☆
お風呂から上がったばかりだというのに。
何か発汗して冷や汗が止まらない。
絶対に何かがおかしい。
歪んでいる。
何もかもが、であるが。
その何か、と言われたら何なのか分からない。
簡単にいえば違和感を感じる。
何か危険な事が起こっている様な感じだ。
私は冷や汗を浮かべながら窓から外を見る。
「.....もしかして.....!」
私はハッとしてからそのまま電話を掛けた。
その人物はお兄ちゃんである。
この違和感はお兄ちゃんか!、と思ってしまった。
まさか相模とか!?
思いながら心臓をバクバクさせながらコール音を聴く。
すると電話にお兄ちゃんが出た。
もしもし、と言いながら。
私はその言葉にホッとしながら、お兄ちゃん。大丈夫?、と早速聞くと。
お兄ちゃんはあり得ない事を口にした。
『ああ。相模が家に来てな』
「.....まさか!!!!?そんなの.....!!!!!」
『落ち着け。.....相模のアホは帰った』
「.....え?それはそれで.....!?」
『なんかな。相模も大概にゴミクズなんだけど。.....ちょっと気になる点があってな。それをあれこれ聞いたんだが』
「.....?」
私は、?、を浮かべる。
するとお兄ちゃんは、この家の場所をどう調べたのか、って聞いた。そしたらアイツはこう話したよ。.....今村に聞いたって、と答えた.....は?
カラダから一気に何かが消える気配がした。
そして絶望して膝を崩す。
「.....それって今村さんが裏切ったって事?」
『.....より正確に言えば違う。.....監禁されていたらしい。相模の親父さんに』
「は.....た、助けないと!?」
『それをする前に相模が解放したらしいけどな。今村一族は警察にも訴えるとかそういう感じになっているらしい。.....身分証明書とか勝手に読んだらしくてな』
「あり得ない.....!」
『あり得なくてもあり得る話だ。.....恐らくだけど相模も被害者なんだと思う。ただし今の時点じゃ何も分からないから何も言えない。相模は親父さんに虐待されていたらしいから』
「.....!」
ネグレクト。
つまり相模帝は子供の頃にずっと放置されていたらしいしな、と考える感じで言ってくるお兄ちゃん。
私はその言葉に口元に手を添える。
信じられないぐらいドクズだね、と言葉を発した。
すると、全ての元凶は相模の親父さんかもな、と話すお兄ちゃん。
『多分それはアイツ。つまり瑛一も知って動いているんじゃ無いかな』
「.....信じられない.....」
『まあナ○トで言うならラスボスの○グヤじゃ無いかな。無限月読の』
「.....お兄ちゃん。ジョークを言っている場合じゃ」
『それは分からんでも無いけどな。だけどどうしようもないからな。今は』
「だね.....」
私は愕然としながら話を聞く。
するとお兄ちゃんは、アイツはどうした。一葉は、と聞いてくる。
私はその言葉に、今はコンビニ行ってる、と答える。
お兄ちゃんは、そうか、と答えた。
『この問題は取り敢えず内緒にしておいてくれるか。アイツに』
「良いの?それで」
『.....そうしないとマズイと思えるしな』
「.....」
『双葉。言いたい事は分かる。お前が何を想像しているかもな。.....だけどどうしようもないんだ。子供だしな俺達は』
「分かるよ。お兄ちゃん。でも.....」
『今は様子見でいこう。取り敢えず。相模のアホは説得したしな』
「.....分かった」
そして私は電話を切ってからそのまま天井を見上げる。
すると、双葉?、と声がした。
背後をビクッとして見るとお姉ちゃんがアイスを口に咥えて立っている。
私はだらしないその姿に、アイス良いなぁ、と笑みを浮かべて演技する。
それから、ハーゲ○ダッツのキャラメルサンドだよね?、とニコッとしながらお姉ちゃんは渡してくる。
私はそれを、うん、と笑顔になりながら受け取る。
「おお?どうしたの?双葉。何か良い事あったの?」
「何もないよ。いつもの通りお兄ちゃんと話していた」
「そかそか。君の恋人だね?」
「もー。からかわないの。お姉ちゃんは」
「あはは」
それから私達はふざけ合う。
するとお姉ちゃんが私に向いてきた。
そして、何かあったら頼ってね、と言ってくる。
私はその言葉に見開きながら頷いた。
そうしてから、お姉ちゃんも、と告げる。
お姉ちゃんはその言葉に、だね、と答えてくれた。
「お姉ちゃんの身も心配だから」
「.....そっか。有難うね。双葉」
「でもあまり調子に乗らない様に!」
「あ、き、厳しいね。双葉」
「当たり前でしょ。.....私のお姉ちゃんは浮気性だから」
「酷いねぇ」
そんな感じで笑い合う私達。
でもこうやって笑い合えるぐらいになったんだ。
結構マシな方ではないだろうか?
思いながら私は苦笑しながらお姉ちゃんを見る。
するとお姉ちゃんは、アイス美味しいね、と笑顔になる。
「.....そうだね。.....ねえ。お姉ちゃん」
「.....ん?」
「200億円とアイスはどっちが持っていたら幸せに感じる?」
「.....お金なんて所詮は裏切りが起こるから.....だから私はアイスだね.....あ。当たった」
もう一本だね、と笑みを浮かべるお姉ちゃん。
私は子供かな?、と思いながら苦笑いを浮かべながらその姿を見つつ。
複雑な顔をして空を見上げる。
そうか。
今村さんも.....友作さんも.....みんな大変だな、と。
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