第8話 男子トイレ→双葉侵入

復讐とは何の為にするのか、必要なのか?、それはお前の為になるのか?

という感じで友作に真剣に聞かれた。


俺は考える。

果たして復讐とは何なのか。

復讐とは儚いものかもしれない。

花から花びらが散る様に。

儚くて馬鹿な事かもしれない。


だが俺はあくまで復讐はしたいと思う。

何故かといえば簡単である。

アイツに、一葉に解らせる必要がある。

だから俺は復讐する。

じゃ無いとアイツはこのまま自分の天下と思ってしまうのもある。


9月といえば体育祭がある。

その為に俺達クラスメイトは会議していた。

より良く成功させる為に。


俺達は綿密に計画を。

まるで秘密会議。

ゼーレの会議みたくしていた。


「という事で。何か意見あるかお前ら?」

「無いです」


そんな会議が聞こえるが。

俺の耳に入ってこない。

それはそうだろうけど集中はしないといけない。

全く俺という奴は。

そう考えながら首を動かして周りを見渡す。

友作も一葉も集中していた。


「.....」


一葉とは別れようと思う。

もうこの関係を保つのは不可能だと思う。

じゃ無いと精神的に保たない。

考えながら俺は前を見る。

すると担任が、長谷川。お前は何かあるか?、と笑みを浮かべた。

俺に視線がまるで水の様に注がれる。


「何も無いですね。有難う御座います」

「そうか?何か一つでも無いか?」

「アホですから無いです」


そうかー、と言いながら担任は視線をみんなに固定する。

それから、んじゃまあ。体育祭楽しもうなー、と声を発する。

俺らは、あいー、と返事しながら担任を見る。

チャイムが鳴った。


「んじゃ解散なー」

「あいー」


気怠げな返事をクラスメイト達はしてからそのまま休み時間に入る。

俺はトイレに向かう為に席を立つ。

すると一葉が声を掛けてきた。

何処行くの?、と。

その言葉に俺は、トイレ、とだけ反応する。


「そっか。じゃあ気を付けてね」

「.....一葉。後で話がある」

「?.....どういうお話?」

「お前との大切な話だ」


一葉は、?、を浮かべながら、うん。分かった、と笑顔になる。

それから戻って行く。

俺はその姿を見ながら溜息混じりにトイレに行こうとした時。

友作に声を掛けられた。


「連れションするぜ」

「あー。有難うな」

「.....お前、別れるのか?」

「お前は超能力者か?不気味だ」

「ビンゴなんだな?まあ別れないとな。汚い女かもしれんしな」

「まあ確かにな。だから別れる事にした」


トイレに入り。

それから俺は友作を見る。

便器に向かう。

すると友作は、一葉ちゃんは結構良い女の子と思ったんだがな、と複雑な顔をする。

それから苦笑い。


「正直お前から聞いて衝撃だったよ。浮気なんてな。俺のクソママと同じだな」

「確かにな。お前の母親も浮気だったよな?」

「そうだな。だから不愉快なんだよな。全く」

「大変だったな。お前も」


浮気するのは勝手だけどさ。だけど子供産んで浮気とかマジ外道だしな、と友作は手を洗う。

俺はその姿を見ながら、確かにな、と返事をしながら便器から離れる。

すると友作は、んじゃ俺、飲み物買ってくるから、と言いながら笑みを浮かべてから、先に帰っててくれ、とトイレを去って行く。


「.....」


俺は去った友作を見送り。

男子トイレのドアの取手を握る。

するとドアが勢いよく開いた。

まるでビックリ箱の様に。

それからドアの奥から双葉が顔を見せる。


「な!?」

「お兄ちゃん。会いたかった」


それから何を思ったか双葉は男子トイレに侵入してから俺を個室に詰め込む。

待て待て!何をしているんだコイツは!?

俺は唖然としながら双葉を見る。

双葉は俺にニヤッと反応した。


「えへへ。やっとお兄ちゃんと二人きり」

「馬鹿な!?な、何をしている!」

「ちょうどお兄ちゃんとお話もしたかったから丁度良いかなって」

「良くないわ!不法侵入だろ!」

「大丈夫だよ。私が間違えて入りましたって事にすれば」


馬鹿な、と思いながら双葉を見る。

すると双葉はニコニコしながら身体を弄ってくる。

俺は衝撃に仰け反る。

や、やめろぉ、的な感じで。


何だコイツマジに、と思いながら、もう出るぞ!次の時間が始まる!、と怒る。

だが双葉は退こうとはしない。

それどころかニヤニヤしてから、大丈夫だよ。お兄ちゃん。サボれば良いんだから、と向いてくる。

その顔に俺は、は!?、と反応する。

まるで変な物を見た様に。


「コラ!?それは良くないぞ!」

「お兄ちゃん。大丈夫。1時間ぐらいサボっても調子が悪かったって言えば。デートしようよ」

「こんな場所でデートもクソもあるまい!?」

「大丈夫。お兄ちゃん。えへへ」


美少女の顔が近い。

アイドル級の美少女の顔がそこにはある。

俺は困惑しながら見る。

双葉は笑顔のまま、お兄ちゃんと話がしたいの、と向いてくる。


「な、何の話だ!?」

「お兄ちゃん。私は猛アピールをする事にしたの。何故ならお兄ちゃんと私は掛け離れているからね。だから今日から攻撃するから気を付けてね」

「お、お前!いきなりだな!何でだよ!?」

「考えてから思った。お兄ちゃんにアタックする方が良いって」


するとチャイムが鳴った。

それから俺は困惑に困惑する。

そうしていると双葉が俺の手を握る。


そして自らの胸にその手をゆっくり押し当てる。

双葉の心臓がバクバクしている。

緊張故か?

マジかコイツ!

双葉は笑みを浮かべながら、心臓がバクバクしているでしょう?、と聞いてくる。


「知ってる?お兄ちゃん。好きな人に胸を揉まれると女性のおっぱいって大きくなるんだよね。不思議だね」

「し、知らない!?」

「じゃあ今から知って?お兄ちゃん」


うっとりした様な。

まるで媚薬でも飲んだ様に反応する双葉。

ちょっと待ってくれ。

俺はマジにどうしたら良いのだ!?

これどうするべきなんだ!?

何か薬でも飲んだか!?

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