シチューごはんが食べたい!

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 シチューごはんが食べたい。

 昨日(10/21)、シチューが食べたいと書いて、書き切れなかったので追記として書かせてもらう。


 わたしはビーフシチューをごはんにかけて食べるのが好きだ。

 だったら、苦手なシチューもごはんにかけて食べたら食べられるんじゃないかと思って、試したことがある。

 結果は“気が向いたらシチューごはんにして食べましょう”になった。


 シチューごはんで思い出した話。

 学校給食でシチューが出る。

 人気メニューなので、その日のクラスメイトたちはウキウキしている子が結構いた。

 反比例で、わたしのテンションは下がっていく。

 そして、給食の時間に待ちに待ったシチューとご対面。

 わたしの通っていた学校の給食ではパンの日とごはんの日があって、シチューはごはんの日に出ることが多かった。

 シチューがパンの日に出たら何事もなかった。

 でも、


「なぁ! お前ら、シチューごはん食べる時って―――シチューにごはんをぶっ込む? それともごはんにシチューをぶっかける?」


 『もー、あんた何言ってんのー』でも『お前、シチューとごはん一緒に食うの!?』でもなく、


「「ぶっ込む」」

「「ぶっかける」」


 男子の問い掛けに否定することなく、二者択一に答えるクラスメイトたち。

 教室にあるはずないゴングが鳴った気がした。

 給食の時間だけど、プチ討論の始まりだ。


「カレーライスはごはんにカレーをかけて食べるじゃん? なら、シチューだってごはんにかけて食べるに決まってるじゃん」

「違う違う。最初からごはんをシチューに全振りするんじゃなくて、食べる度にごはんをシチューに入れて食べるから良いじゃん」

「――――」

「―――」


 回答した方法で作ったシチューごはんを食べながら、シチューごはんについて語るクラスメートたち。

 そんなクラスメートたちのプチ討論を聞きながら、


(うそ、シチューごはんってメジャーだったの!?)


 衝撃を受けるわたし。

 今、この苦手なシチューをどう食べ切るかで悩むわたしは討論には参加しなかった。

 でも、


「ねぇ、ゆえ(⚠️わたしのこと)はどっち?」

「………ぶっ込む派かなー」

「ほー、わけを聞こうか」

「ゆえさん、ごはんをシチューにぶっ込むなんてあなたお行儀がよろしくなくってよ!」


 何故かぶっかける派に絡まれる。

 給食でシチューごはんにして食べる予定はない。


「単純にこの食器じゃ、ごはんにシチューをぶっかけると飛び散るから。制服についたら大変」

「つまり、食器に問題点があると?」

「はい(適当)」

「カレーライスの日も同じ食器なの、勘弁してほしいよなー」

「分かる。無理なの分かってるけど、カレーライスの日は大きめの食器用意してほしい~」


 その後、シチューごはんから学校給食で使用している食器について話が流れてプチ討論は幕を閉じた。

 『この食べ方がいい!』や『いやいや、こっちだろ!』と給食の時間は主張するクラスメートが多かったなと思う。

 だけど、各自相手の食べ方について否定したいんじゃなくて言いたいことを言うのが目的だった気がする。


 大人になった今、学生だった当時を思い出しながら今日はシチューをシチューごはんにして食べようかなと思うのだった。


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