シチューが食べたい!

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 シチューが食べたい。


 小さい頃から嫌いで、大人になった今でも苦手だ。

 カレーライスとビーフシチューは大好物なのに、シチューだけは別だ。

 殆ど具材は一緒で、違いはルゥだろうか。

 何故苦手なのか、自分でも未だに分からない。


 シチューはわたし以外の家族の大好物で、人気のメニューだったから食卓に並ぶ回数は多かった。

 シチューはメイン料理で、他にあるのは白米とちょっとしたおかずだけ。

 食欲旺盛で成長期だったわたしには、白米とおかずで済ますことが出来なくてシチューを食べない選択肢はなかった。

 母にシチューが嫌いなことをバレないように食べていたけど、わたしは態度と顔に出やすいようでバレバレだった。

 そのため、母はシチューの日はビーフシチューも一緒に作ることにしたそうだ。

 量は半々にしているし、具材は殆ど一緒だったから苦ではないと言ってたけど、面倒くさいことをやらせてしまったなぁと反省している。


『えっ! ビーフシチューとシチューの両方食べれんの? なんだったら今日と明日で交互に食べれんじゃん! やったー♪』


 と姉妹に好評だったから、わたしはそんなに気に病むことはなくて良かった。


 今も母はたまにシチューとビーフシチューを半々に作っている。

 シチューを食べれるようになったよと伝えると、シチューのみを作ることもあるようになった。


 シチューは未だに苦手だけど、ふと食べたくなる。


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