スクランブルエッグが食べたい!
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スクランブルエッグが食べたい。
スクランブルエッグは洋食に出されるイメージが強くて、朝食に食べるものだと思っていた。
母がオムレツを作るのが面倒くさいと言って、夕食にスクランブルエッグが食卓に並んだ時はビックリした。
わたしは父親の影響で食に対する固定観念が強いのだと思う。
大人になった今でも払拭しきれていない。
スクランブルエッグのことも父から“ぐちゃぐちゃ卵”と教えられ、“スクランブルエッグ”ともいうことを知ってそう呼ぶと「調子に乗るな!」と怒られた。
子どもの頃はスクランブルエッグのことを“ぐちゃぐちゃ卵”や“ぐじゅぐじゅ卵”などと呼んでも間違ってはおらず、そう覚えてもおかしくはない。
“ぐちゃぐちゃ卵”と言われ、何の料理なのか相手に伝われば別に構わないと思うし、否定するつもりはない。
食卓に並んだ料理を見て、
(子どもの頃、この料理で父さんにグチグチ怒られたな)
と思い出すことが多い。
わたしは食べることが好きなのに、父に怒られた記憶のせいで美味しい料理も美味しいと思えない面倒くさい性格なのだと思う。
わたしは、スクランブルエッグは作れる。
だけど、父からスクランブルエッグを箸1本で作ることを強制させられた。
大人になった今なら箸1本でも作れなくもないけれど、子どもの頃は上手く出来なくて結果薄く焼いた卵になってしまった。
失敗したスクランブルを見て、「てめぇはぐちゃぐちゃ卵も満足に作れねぇのか!」って怒られたっけ。
子どもの頃は泣くくらい悲しかったけど、今なら「文句言うならあんたが作れや」と言えるようになった。
父は料理が一切出来ないのに、なんであんなに威張り散らしてわたしにマウントを取っていたんだろうか?
フライパンの中で完成したスクランブルを見て、粉チーズか納豆を入れても良かったかなと思うのだった。
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