5. あの日の僕ら 61~65
-61 再来した辛さ-
美麗と香奈子はテレビを直視することが出来なかった、前を向くと決めた美麗に未だ残る恐怖と、記憶を失っているにも関わらずつい先ほどの事が走馬灯の様に香奈子の脳裏を走り続けているが故に生まれている恐怖は周りの者の想像をはるかに超えていた。
気を遣った文香は美麗を病室の外へと連れ出し、出てすぐの長椅子に一緒に座った。
文香「大丈夫、我慢しなくても良いから。」
文香の言葉に安心した美麗はその場で堰が崩れた様に泣き出した。
美麗「刑事さん、私強くなれそうにない。今すぐにでも秀斗に会いたい、こんな人生無理!!」
文香は何も言わずに美麗の肩をずっと抱いていた。
美麗「秀斗が死んだあの交差点を通るのが怖い、1人の夜が来るのが怖い・・・。」
文香「秀斗君は今貴女の一部として生きてるでしょ、ずっと一緒なのよ。それに、私も付いてるから安心して。」
暫くした後、2人が病室に戻ると香奈子はベッドの上で震えていた。テレビには爆弾魔が逮捕されるシーンが映し出されていたのだが、それだけならまだマシだった。テレビの向こうで警察官に腕を掴まれパトカーに乗り込む犯人はうっすらと笑っていたのだ、まるで「してやったり」と言わんばかりに。
ニュースキャスターによると爆弾魔は「これは復讐だ」と供述しているらしい。
皮肉にもこのニュースは良い影響をも与えた。
香奈子「裕孝、私火が怖いの。それとあの人は何で平気で笑っているの?多くの人達を傷つけてどうして笑っているの?」
そう、香奈子の記憶が戻ったのだ。
裕孝「香奈子を含めた多くの死傷者が浮かばれなくなるから理由は聞かない方が良いと思うんだ、それより今は何も気にせずゆっくりと休んだ方が良いよ。」
今回の事件は香奈子を含めた列車の利用客、乗務員、また線路沿いにある警察署の署員や周囲にある住宅の住民を含めておおよそ200人の死傷者が出たという。
事件を思い出した香奈子はその辛さからトイレで吐いてしまった、好美がずっと背中をさすっていた。
香奈子「好美・・・、私死ぬのかな・・・。」
好美「馬鹿な事言わないの、それよりあんたにはするべき事があるでしょ。あんたにしか出来ない事があるはずよ。」
香奈子はその場で泣き崩れた。
香奈子「私、裕孝と離れたくない。」
好美「だったら尚更生きなきゃダメじゃない、体治して裕孝君の所に戻るの。戻って裕孝君が壊れる位にギュッと強く抱きしめるの、周りに汚いって言われても良い位にブチュっとキスするの!!あんた裕孝君の事、愛しているんでしょ?!大好きなんでしょ?!」
好美は言葉に圧力をかけながらその場にしゃがみ込んで説得した、目には大粒の涙が浮かんでいた。
香奈子「ごめん・・・。」
好美「何であんたが謝るの?今すべきなのはそんな事なの?」
違う、香奈子はいち被害者であり、決して悪くはない。
香奈子「そうね、一刻も早く笑顔で裕孝と会わなきゃね。」
テレビで流れるニュースを見て文香は震えながら1人静かに拳を握った、個人的な復讐に大勢を巻き込んだ爆弾魔が兎に角許せなかった。
遅れて美恵が病院に駆け付けた、手にはお見舞いのケーキの箱が握られていた。美恵は反対の手で警察手帳を見せながら自己紹介した。
美恵「好美の叔母で文香の先輩刑事の倉下美恵と言います、香奈子ちゃんだっけ?大丈夫?傷の所とかは痛くない?」
香奈子「まだ少しズキズキする時があるけど大丈夫です。」
美恵と文香は事件について決して聞こうとはしなかった、本人の表情から香奈子の辛さを汲み取ったからだ。
-62 警察官も人間-
美麗と香奈子を宥めた文香は2人に自分の携帯番号を渡した。
文香「いつでもいいから、何でも言ってね。どんな事でも聞くから。」
2人を安心させると1人で病室を出ようとしたので美恵が後ろから止めた。
美恵「私も一緒に行って良い?ケーキ、あんたの分もあるんだけど。」
文香「ううん、1人で行く。先輩は好美ちゃんと2人を見てあげてて。まだ何があってもおかしくないから、ケーキは後で貰うね。」
美恵「そっか、分かったわ。」
好美「文香さん、本当にありがとう。お陰で2人共安心してるみたい。」
文香「良いの、私も2人の気持ち、分からなくもないから。」
好美は首を傾げながら病室を後にする文香を見送り、3人の女子大生達とケーキの箱を開けた。
好美「これ、最近オープンした人気店じゃないの?」
美恵「30分並んだんだから、3人共有難いと思いなさい。」
箱の中では数種類ある色とりどりのケーキが並んでいた、女子大生達は目を輝かせながら見入っていた。
その頃文香は病院から覆面パトカーで爆破の被害を受けた警察署へと向かった、現場では未だに捜査と被害者たちの救護が行われていた。傍らでその光景を見た文香は再び覆面パトカーに乗り込み、隣町の署へと向かった。
隣町の警察署では被害を受けた署に所属する署員達が一時的に所属するという形で避難して来ていた、刑事課のオフィスに入って来た文香を呼び出した上司である三木谷(みきたに)警部補は誰もいない給湯室で珈琲を淹れて手渡した。
三木谷「お帰りなさい、お疲れ様です。どうぞ、飲んで下さい。」
文香「只今戻りました、頂きます。倉下さんももうすぐ戻る予定です。」
三木谷「分かりました、本当に大変そうですね。」
物腰の柔らかさで地域住民にも人気の上司は美恵や文香から事件の被害を受けた学生達の事情を聞いていたので、優しく文香を出迎えた。
三木谷「差し支えなければ、状況をお話しして頂けませんか?」
文香「松戸さんと山板さんの2人は事件の記憶による衝撃が未だに強く、まだ立ち直れそうにない様です。」
三木谷「もしかして・・・、山板さんの記憶が戻ったんですか?!」
文香「はい、テレビのニュースに映った犯人の顔を見た時に戻った様です。恋人の貢君に会いたいとずっと言ってました。」
その頃、同じ警察署に戻って来た美恵は鼻歌交じりで給湯室へと向かった。
美恵「どうせ文香の事だから給湯室でサボってるんだろうな、文香ぁ、あんたの分のケーキ・・・、えっ?」
美恵は給湯室での光景を見て驚愕した、三木谷と文香が唇を重ねていたのだ。
文香「私、我慢出来ない・・・。」
三木谷「吉馬・・・!!」
美恵の知らない所で数か月ほど前から2人は付き合っていたらしく、三木谷に会いたくなったので先に署に戻っていたのだ。美恵に未だ気付いていない2人は再びキスをした。
文香「ねぇ健(たける)、いつになったら名前で呼んでくれるの?」
健「文・・・、文香・・・。」
文香「やっと呼んでくれたね、嬉しい。ねぇ・・・、もっと頂戴!!」
2人は改めて抱き合い、濃厚なキスをし始めた(※お気付きの様だと思われますが、ここからは三木谷の事は「健」と表記します)。
美恵「そう言う事だったのね、文香。」
文香「美恵さん・・・、いつから見てたの?!」
美恵「最初のキスの時からいたわよ、それより・・・。」
文香「ど・・・、どうしたの?」
美恵「健!!これはどういう事?!」
そう、健は美恵と文香とで二股をかけていたのだ。
-63 最低男と前を向く女達-
給湯室は修羅場と化した、健は2人との関係を上手く説明が出来なかった。
健「いや・・・、えっと・・・。」
美恵と文香は純粋な気持ちで健の事を愛していた、好きになった理由も本当に純粋で濁りなど一切無かった。
美恵が新人巡査として配属された頃、指導係となったのが当時巡査長の健だった。上司として、そして先輩として警察官の仕事を手取り足取り教えていた時の真摯的な姿に美恵は惚れたという。
文香も同様だった、本人にとってまさに「憧れの、そして理想の上司」と言える存在だった。
裏切られた2人の怒りは相当だった、健は2人からかなり強めのビンタをくらった。
美恵「最低!!」
文香「私、本気だったのに!!」
しかし事態はそれ所ではなかった、文香が目を凝らして見てみると健の左手の薬指で指輪が光っていた。文香は自分の目を疑った。
文香「結婚してたの・・・?」
健「ああ・・・、子供も2人いる。」
ただ決して夫婦仲は良い物では無かったらしく、妻に突き付けられた三行半により離婚が成立しかけていた。
2人の子供の親権も裁判所命令で妻が独占する事になりそうなので、独り身になる事になった健の下に美恵がやって来たので、これはチャンスだと踏んでわざと指輪を外して独身を演じていたのだ。
最初から裏切られていた事を知った2人はその場で泣き崩れた、それから2人を宥める為に近付いた数名の女性警官達も同様に健に裏切られていた事を知った瞬間、全員で泣き叫んだという。
そう、健がかけていたのは二股どころではなかったのだ。
美恵と文香の2人は溜まりに溜まっていた有給休暇を利用して健の事を忘れる為の旅行へと向かう事にした、相手からすれば不倫や浮気だったと言っても同じ男を愛していた事には変わりないので2人は仲違いしなかったどころか絆がより一層深まったのだと言う。
署長「丁度今、署を建て直しているからその間にゆっくりして来ると良いよ。ただ、お土産は「いらない」からね。」
文香「それ、フリですか?」
美恵「署長ったらもう・・・。」
署長「ははは・・・、バレちゃったか。」
文香「もう署長、人が悪いんですから。」
「有給休暇届」を受け取った署長は笑顔で快諾した、2人の気を少しでも楽にする為にジョークを交えて会話する様にしていた。
旅立つ前に2人は香奈子の様子を伺う為に病院へと向かった、病室には美麗もお見舞いに来ていた。
美麗「あ、刑事さん。先日はどうもありがとうございました。」
文香「いえいえ、あれからどう?」
さり気なく心の傷が癒えて来ているか聞いてみる文香、あまり良い行動とは思えない。
美麗「大丈夫です、最近は普通にテレビも見えたり大学にも通っていますから。」
しっかりと大人の対応をする美麗。
香奈子「結構な荷物みたいですけど、今日はどうしたんですか?」
文香「私達、署が直るまで旅行する事にしたの。2人共フラれちゃって。」
美恵「気づかない内に同じ人を愛してしまっていたの、皆の憧れの的だった人。そして私達の目標だった人。」
文香「私達以外にもその人を愛していた女がいたみたい、ただその人は妻子持ちだった。」
美恵「それを聞いてより一層仲間意識が強くなった、私達はつくづく縁のある2人みたい。」
2人の口調はまるで書物を朗読しているかの様だった、数か月前に与えられた台本を繰り返し練習したみたいにスラスラ話していた。
その後2人は旅立った、誰にも目的地を語ることなく。きっと時が許す限り風の吹くまま気の向くままフラフラと歩くつもりなのだろう、何も語ることなくまっすぐ前を向いて歩きだした。
その頃、松龍でのバイトを済ませた好美は何処かへと電話をかけた。
-64 大好物の力-
好美は2人の為に何をすべきか分からなかった、ただ自分がとった行動により2人に迷惑を掛けてしまうのではないかという考えがあったからだ。
守(電話)「そっとしておくのが一番じゃないかな。」
電話の向こうで守は冷静だった、しかし好美は決して放ってはおけなかった。それもそうだ、2人を襲った出来事があまりにも残酷過ぎたのだ。
守(電話)「今は様子を見よう、勿論事件を思い出させない様に気を遣いながらね。」
同刻、美麗は秀斗が死んだ事を後悔する位に綺麗になってやろうとジム通いを始めた、と言うより事件の事を忘れていたいという気持ちが強く、体を動かしていると無心でいることが出来た。
一方、香奈子は快方に向かっており、週末には退院出来るだろうと医者に告げられていた。
看護師「良かったわね、ここのご飯くそ不味いから嫌だったでしょ。」
香奈子「そんな事は無いですよ、意外と私好みで良かったです。」
看護師「あら、珍しい事を言う人もいるのね。では、もう少しの間だけゆっくりして行ってね。」
香奈子は窓を開けて風で揺れる木の葉や樹木をじっと見つめていた、太く大きく育った大木に生命力を感じていた。
香奈子「私も強くなれるかな。」
香奈子が黄昏ていると裕孝が病室に入って来た。
裕孝「おはよう、調子はどう?」
香奈子「大分マシかな、先生も週末には退院出来るだろうって言ってた。ねぇ、それってもしかして・・・。」
香奈子は裕孝が持っていた紙袋を指差した、大好物の入った袋に興奮する様子の恋人を見て裕孝は安心していた。
裕孝「ああ、香奈子が好きだって言ってたから買って来た。案外するのな。」
裕孝は頭を掻きながら笑っていた、きっと照れくさかったのだろう。
香奈子「ねぇ、食べて良い?」
裕孝「勿論。」
香奈子は紙袋の中身を取り出して笑みをこぼした、カラフルな砂糖やクリームで彩られたドーナツが2人を迎えていた。
裕孝「人気の店なんだな、周りは女の人ばっかりで戸惑っちゃったよ。」
しかし香奈子の為ならと思うとすぐにどうでも良くなってしまったそうだ、彼氏が買って来た大好物に早速舌鼓を打った。
香奈子「ふーん、ふはーい(うーん、美味ーい)、ひひへへほはっはー(生きてて良かったー)。」
裕孝「いくら何でも大袈裟過ぎないか?」
ドーナツの美味さもそうなのだが、自分の為に裕孝が買って来てくれたことが何よりも嬉しかった。
裕孝が一旦トイレで離れると、検温等で看護師が病室へと入って来た。
看護師「何かなちゃん、良い物食べているじゃない。もしかして彼氏?」
香奈子「はい、大好物を持って来てくれたんです。」
看護師「やっぱり病院食なんかより良い物食べたいものね。」
2人が世間話をしているとトイレから裕孝が戻って来た。
香奈子「あ、彼氏戻って来たみたいです。」
看護師「へぇ、どんな子かし・・・、裕孝じゃないの!!」
裕孝「か・・・、母ちゃん?!ここにいたのか?!」
そう、香奈子の担当看護師は裕孝の母の小比類巻光江(こひるいまきみつえ)だった。
-65 幸せ溢れる病室-
裕孝の両親は裕孝が小学校4年生の時、互いの仕事によるすれ違いを理由に離婚をしていた。その時裕孝の親権は家庭裁判所の判断で父親が持つことになり、光江は裕孝と会う事が殆ど無かったので2人が再会するのは久方振りであった。
親子同士で会わなくなってから携帯電話の契約をしたので当人同士の連絡が無かったが故に裕孝は光江が今いる大学病院で働いている事を知らなかった(ここからこの看護師の事は光江と表記します)。
光江「裕孝・・・、元気だったかい?」
裕孝「母ちゃん、会いたかったよ。」
光江「あんた、彼女が出来たなんて言って無かったじゃないか。」
裕孝「父ちゃんにも言ってない、今は一人暮らししているから。」
久方ぶりの再会に抱き合いながら涙を流す2人、そんな中香奈子が申し訳なさそうに申告した。
香奈子「あの・・・、いつになったら針抜いてくれるんですかね。」
光江は血液検査の為の注射を刺しっぱなしにしていた事を忘れてしまっていた、注射器いっぱいに香奈子の血液が吸い出されていた。
光江「あらかなちゃん、ごめんね。忘れてたよ。」
裕孝「母ちゃん頼むよ、香奈子を殺さないでくれ。」
光江「こんな事で死ぬ人なんかいないよ、あんたは心配性だね。」
裕孝「仕方ないだろ、やっと出来た彼女なんだからよ・・・。」
注射器をやっと抜かれた香奈子はベッドの上で笑っていた、2人の掛け合いが漫才の様に思えたからだ。
香奈子「2人は仲が良いんですね、羨ましいです。私両親と全然仲良くなかったので、今回だってお見舞いなんて来なかったでしょ。私実家ではずっと無視されてたから辛くなって親元を離れたのよ、その時も両親はずっと知らんぷりで平然としてたって聞いたの。」
光江は香奈子の過去の話を聞くとベッドで座っている本人の元へと近づいていった、そして何かを予測したかの様にハンカチを渡して香奈子を抱きしめた。
光江「かなちゃんも辛かったんだね、これからは私の事を義母ちゃん(かあちゃん)って呼びな。」
1人暮らしをしている部屋で裕孝がプロポーズをした事を知ったかの様な台詞を言う光江、これで結婚しないとなると話が成立しない。
光江「裕孝、あんたかなちゃんの事を愛しているんだろ?この子を泣かせたら絶対許さないからね。」
まだ結婚している訳でも無いのにすっかり親子になった気でいる光江、これで結婚しなきゃ裕孝の未来はどうなるか分からない。
裕孝は意を決して目の前の女性達に涙ながらに伝えた。
裕孝「そんなの分かってるよ、これからの人生全て賭けて香奈子を守る!!幸せにする!!」
そう言うと香奈子を強く抱きしめキスをした、母親の前だと言うのに何の抵抗も無く濃厚なキスをした。
光江「あんた、発言もそうだけど行動も恥ずかしくないのかい?」
裕孝「恥ずかしさなんてあるか!!香奈子が好きだっていう感情しか無いよ!!」
香奈子「ば・・・、馬鹿・・・。」
香奈子は恥ずかしくてつい顔を赤らめた、しかし嬉しさもあるので感動の涙を流していた。
香奈子「裕孝、私幸せになって良いのかな。今以上に裕孝の事を愛して良いのかな。」
裕孝「ダメな訳あるかよ、それに香奈子が嫌だっていう位に俺が幸せにするって誓う!!」
光江「あんた、幸せなのに嫌だって皮肉じゃないか。」
笑う光江を横目に2人はベッドの上で強く抱き合い涙目でキスをしていた、先日のプロポーズの答えはもう出たも同然だ。空気を読んだ光江は急いで身支度をして病室を出た。
光江「あらあら、じゃあ次の病室に向かうかね。」
香奈子「大好きだよ、裕孝・・・、裕孝・・・!!」
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