5. あの日の僕ら ㊶~㊺


-㊶ 親より恋人か-


 2日後、龍太郎の気遣いにより松龍でのバイトの休日を余分で1日貰う事が出来ていた好美は徳島への今回の帰省で買って来たお土産を持って店に来ていた、松戸夫婦は先に美麗から貰っていたので少し申し訳なさそうにしていた。


王麗「ごめんね、気を遣わせちゃって。うちらなんか先に美麗から貰っていたというのに、本当に良いのかい?」

好美「良いんですよ、龍さんと女将さんはこっちにいる時の私の両親ですから当たり前の事じゃないですか。」

王麗「良い娘を持ったもんだよ、長生きするもんだね・・・。早速開けても良いかい?」


 好美から受け取った紙袋をまじまじと覗き込みながら開ける王麗、ただ好美には心配事があった。そう、美麗と品がかぶっていたらどうしようかと・・・。


王麗「あら、これ・・・。」

好美「あれ、まずかったですか?」

王麗「食べてみたかったのよ、テレビのCMをたまたま見かけてね。」


 王麗は好美に渡された半田の素麺を嬉しそうに見ていた、ただ美麗本人は何を渡したのだろうか。


王麗「ちょっと変わった海苔だったよ、パリパリしてて美味しかったね。」

龍太郎「地球上にあんな逸品があったとはな・・・。」


 自らが購入していた物ではなく瑠璃に渡された大野海苔を渡していたとは、まさか美麗が自分で選んで買ったお土産は全部金上用だったのだろうか。

 好美にはもう1つ気になる事があった、念の為真希子の分も一緒に守に渡しておいたのだが、まだ見ぬ彼氏の母親の好みに合わなかったらどうしようと不安になっていた。

 深刻そうに好美が考えていたら店の出入口から聞き覚えのある声が聞こえた、桃だ。


桃「女将さん、頼まれた讃岐うどんと骨付鶏買って来たよ。」


 香川に帰省すると桃から聞いていた王麗はお土産のリクエストをしていた、ただ思ったよりも高級な物を渡されたらしいので少し緊張していた。

 受け取った紙袋を覗き込みながら顔を蒼ざめさせながら聞き直した。


王麗「桃ちゃん・・・、あんた正君がいるのにいつの間に援交したんだい?全部高級品じゃないか・・・。」


 焦った好美は急いで打ち明けた。


好美「桃にそんな事する度胸があると思います?本人のお父さんと行った競艇場で勝ったらしいんですよ。」

王麗「何、いくらだい?」

桃「38000円です・・・。」


 それを聞いた王麗は急に笑顔になった。


王麗「それはそれは、おめでとうね!!ビール呑むかい?」


 好美にはすぐに理解できた、どうやら丸亀で稼いだ泡銭を使わせようとしている様だ。

 そんな中、激しい排気音(エキゾースト)が通り過ぎ、暫くした後に守が店に入って来た。


王麗「あら守君じゃないか、今の音はまさか真希子かい?」

守「はい、今から軽く流して来るって言ってたんでついでに送って貰ったんです。好美がいるかもなと思って。」

好美「守!!」


 大好きな恋人の顔を見て堰が壊れた様に涙を流しながら堂々とキスを交わす好美、嬉しいからって正直堂々とし過ぎている様な気もするが・・・。


王麗「あらあら、うちの周りにはキス魔が多いね。真希子が見たらどういうのかね。」


 ただ次の瞬間、王麗は自分の目を疑った。顔を赤くした美麗が金上の肩に抱かれデートから帰って来たのだ、恋人同士だから当然かと予測はしていたが。


王麗「あんた達、もうそこまでの関係なのかい?」

美麗「当然・・・、じゃん・・・。」

金上「美麗(メイリー)、お土産ありがとうね。」


-㊷ きっかけはひったくり-


 3人が徳島で呑み食いしまくっていた間、貢 裕孝と山板香奈子はお盆休みを各々を好きに過ごしていた、その間も裕孝の心の何処かには香奈子という大きな存在がいた。

松龍での呑みの後、ちょこちょこ連絡を取る様になっていた2人は互いを「かなちゃん」、そして「ひろ君」と呼ぶようになっていた(※ここからは貢の事を裕孝と表記します)。

日々を過ごす中で裕孝はいつも携帯を手にし、「かなちゃん何してんだろ、連絡してもいいかな」という思いに更けていた。実は香奈子も同じ気持ちでいた。

一回一緒に吞んだだけなのにすっかりその気になっていた裕孝は、気を紛らわす為に近所のボードウォークに散歩しに行った。香奈子も同じタイミングでショッピングに出かけていた。

偶然今回の目的地までの通り道であるボードウォークを歩いていると、後ろから走ってきた男が肩からかけていたバッグを勢いよく強奪して走って行ってしまった。そう、ひったくりだ。

裕孝が何も目的も無くただただぷらぷらと歩いていたら目の前で香奈子がひったくりに合う現場を目撃した、何も考える間もなく足が勝手に動いていた。気付けば陸上部にいた時以上の全力疾走をして追いかけていた。後ろでは泣きながら蹲る香奈子がその姿を見て叫んでいた。


香奈子「ひろ君・・・!!」


 香奈子の声を聞いた裕孝はもっと加速した、正直足が限界を超えていたが諦めなかった。

 数秒後、やっとの思いで犯人の男を捕まえると丁度よくパトロールで通りかけた警官に引き渡した。無線を通して呼ばれたパトカーが現場にぞくぞくとやって来て中から沢山の警官が降りて来た、よく見ればスーツを着た刑事らしき者達もいた。

 先程の警官が汗を拭いながらまだ息が切れていた裕孝とまだ目に涙を浮かべていたままの香奈子に近付いて来た。


警官「すみません、うちの刑事が任意同行と事情聴取をお願いしたいと申しているのですが。」


 ドラマで聞き覚えのある専門用語に少し恐怖を覚えた、2人が警官に案内されるがままにゆっくりと歩くとその先でパンツスーツの女性刑事が笑顔で迎えた。


刑事「急にごめんなさいね、大丈夫だった?」

裕孝「は、はい・・・。あの、任意同行と事情聴取って聞いて来たんですけど。」


 香奈子は裕孝の腕をしっかりと掴んでずっと震えていた、バッグは無事返ってきたものの未だに恐怖が襲っていた。


刑事「あいつ・・・、大袈裟なんだから。軽くお話を聞くだけだから安心してね。」


 刑事は懐から警察手帳を取り出して2人に自己紹介した。


刑事「刑事の倉下美恵(くらしたみえ)です、その子まだ震えているけど落ち着くまで待っているからね。」


 聞き覚えのある「倉下」という苗字と優しい女性の声に安心したのか、少し落ち着いた香奈子は深呼吸して顔を上げた。

 美恵のお陰で雰囲気は和やかな物になり、2人は身分証明書として学生証を見せた。


美恵「へぇ・・・、そこの大学の子なんだ。あれ?この前・・・、身に覚えがあるわね・・・。あ!!もしかして君が陸上部の貢君?!」

裕孝「はい、でもどうして俺の事を知っているんですか?」


 美恵は学生証を返却しながら答えた。


美恵「姪っ子から聞いたのよ、陸上部の男の子が走って犯人を捕まえてくれたって。ほら、倉下好美っての、あれ私の姪だから。」


 宥める様に声を掛ける目の前の女性刑事が何処か雰囲気が好美に似ている理由が分かってホッとした2人、一先ず思い出せるだけ状況を報告して質問に答えていった。


美恵「そういえば、あなた結構その子に信頼されているみたいだけどどう言った関係なの?もしかして・・・。」

香奈子「いえ、一回呑んだだけの大学の同期の友人です。」


 香奈子の言葉を受けた裕孝は固唾を飲んで答えた。


裕孝「そして、俺にとって命より大切で、ずっと隣で笑っていて欲しい人です。」

香奈子「えっ?」


-㊸ 真実の照明-


 何かを決意したかの様に拳を握りながら美恵からの質問に答えた裕孝、その横で香奈子がぽかんとした表情をしていた。


美恵「あらま・・・。」


 数秒程静寂が続いた。


裕孝(小声)「い・・・、言っちまった・・・。」


 裕孝は口が震えていた、そして開いた口が塞がらなかった。空気を読んだ美恵はそそくさと荷物を纏め始めた。


美恵「あ、2人共ありがとね。もう大丈夫だから・・・、ごゆっくり!!」


 逃げる様にして一番近くのパトカーに乗り込んだ美恵、そして2人は現場からの帰路に着いた。

 裕孝の一歩後ろを歩く香奈子、ただ歩く速度は香奈子に合わせる様にしていた。

 裕孝は香奈子に嫌われたのではないかという恐怖に震えていた。


香奈子「ねぇ・・・、あれ本気?」


 香奈子が少し下を向きながら尋ねたので裕孝は言葉を選びながら答えた。


裕孝「ごめん・・・。」

香奈子「どうして謝るの?私嬉しかったのに、もしかして嘘だったの。」

裕孝「いや、決して嘘じゃない!!」

香奈子「じゃあ言い直してよ!!本気見せてよ!!」


 香奈子は目に涙を浮かべていた、それなりの言葉を言わないと許して貰えそうにない様な気がした。

 裕孝は拳を強く握って自らの頬を殴った、まずは過去について打ち明ける必要があった。


裕孝「かなちゃんと初めて話したあの日、実は嘘をついていたんだ。あの時は本など一冊も持っていなかった、そして数日後に迫っていたレポートの提出に焦っていたんだ。

 ただ数日前、涼しい図書館でゆっくりと読書をするかなちゃんを見かけて何処か本が嬉しそうに、そして楽しそうに笑って見えたんだ。

 その時思ったよ、あの人は本当に本が好きなんだって。いつか自分も、好きな本について語る事が出来たらなって。

 そしてレポートの資料にしようとしていたあの本にかなちゃんの手が触れたあの時、自分なんかよりかなちゃんが読んだ方が本は喜ぶだろうって。

 当然の様に他の資料で書いたレポートは再提出になってしまったけど、決して後悔していない。だって、こうやってかなちゃんに出逢うことが出来て、かなちゃんの事を好きになれたんだから。

 1人の人を想ったのは初めてだ、大好きになったのは初めてだ!!

ずっとかなちゃんの横顔を隣で眺めていたい、こんな気持ちにさせてくれて本当にありがとう!!

 かなちゃん、いや山板香奈子さん!!僕と・・・、付き合って下さい・・・!!」


 香奈子は涙した、まさか自分と同様に好きになったきっかけが図書館だったなんて思いもしなかった。

 香奈子は固唾を飲んで重い口を開いた。


香奈子「私もひろ君を初めて見かけたのが図書館だった、毎日の様に必死にレポートを纏める姿を見て何処か親近感が湧いたの。自分も毎日宿題やレポート、色んな手続きに追われていたから。

 ただ本を読んでいる時だけ自分に戻れる気がしたの、勿論友達がいなかった訳じゃないけど1人の世界が好きだったみたい。

 でもね、もう1つ楽しみにしていた事があって。実は本を読みながらいつからかひろ君の姿を探すようになってた。

 手が触れたあの日、本当に嬉しかった。ひろ君も本が好きなんだって。私と同じ世界が好きなんだって、自分だけじゃないってあの後あの本を抱えてトイレで泣いちゃった。

 これからはずっと、堂々と隣にいさせて欲しい。勿論、喜んで・・・。」


 未だ現場に残っていた美恵を含めた警官達と、ボードウォークの景観を楽しむ全員が2人を拍手で祝福した。


2人「ありがとう・・・、本当にありがとう・・・。」


 2人はずっと唇を重ね、抱き合っていたという・・・。


-㊹ 聖なる日に向けて-


 平和なままに数か月が経過し、クリスマスまで後1ヶ月となったある日、最近守がバイトのシフトを増やしていたので余り恋人同士のちゃんとした時間が取れていなかった2人は好美の部屋で久々にランチを食べていた。

 ゆっくりとした時間が流れ、好美が大量のチキンを馬鹿食いする中、守が切り出した。


守「好美ってさ、何か苦手な食い物とかある?」

好美「唐突だね、急にどうしたの?」


 好美は最後のお楽しみに取ってあった大きなチキンを手で掴んだまま聞き返した。

 話は数日前のある水曜日に遡る、相も変わらず松龍で正とランチを楽しんでいる時にいつも通りこの時間帯に働いている好美の目を盗んで龍太郎が守に切り出した。


龍太郎「お前ら、クリスマスどうするつもりだよ。」

守「いや・・・、まだ決めてないけど。」

正「俺も・・・。」


 龍太郎は親指で好美を指しながら助言した。


龍太郎「おいおい、2人共折角彼女が出来たんだからしっかりしろ。ディナーとか行くなら早く予約しなきゃダメだろうが。」


 守がチラ見したので、好美は応える様に手を振った。

 父と守の様子を察したのか偶然居合わせた美麗が懐からあるチラシを取り出して守に見せた。


美麗「守君、好美ちゃんこのチラシをずっと見てたよ。」

龍太郎「流石俺の娘だ!!(小声で)後で唐揚げおまけしてやるよ。」

守「ちょっと見ていい?」


 最近近所に出来たとてもお洒落なカフェのチラシだった、昼はコーヒーやランチを楽しめるカフェで夜はお酒が呑めるバーになるらしい。


龍太郎「当日好美ちゃん休みにするから今から電話しとけ、勿論正もだぞ。(小声で)当然美麗も休みだから楽しんでおいで。」

美麗(小声で)「嬉しいけど、パパ良いの?」

龍太郎(小声で)「当たり前だろう、かんちゃんと楽しんでおいで。」

王麗「お客さんの前でこそこそと何してんだい、注文が立て込んでいるから早く来な。」

龍太郎「いってえ・・・、今日も母ちゃん強(つえ)ぇな・・・。」


 金属製のお盆を使ったお決まりの件があった後、守はチラシに記載された番号にかけた。


守「もしもし、12月24日の20時に2名で予約を入れたいのですが。」

店員(電話)「ありがとうございます、ただ恐れ入りますがイブ当日はスペシャルディナーのみのご予約とさせて頂いているのですが宜しいでしょうか?」

守「えっと・・・、おいくらなんですか?」

店員(電話)「お1人様8000円のご予定とさせて頂いております。」


 守は固唾を飲んで電話を続けた・・・、1人8000円は覚悟がいる値段だ。


店員(電話)「あの・・・、お客様?よろしいでしょうか?」

守「あ、はい、すみません。」

店員(電話)「恐れ入りますが、お客様とお連れ様は何か苦手な物がございますでしょうか。」

守「自分は何でも大丈夫なのですが、ちょっと彼女に聞いてみます。」


 そして今に至る、「1人8000円」という相当な値段を思い出した守は少し体が震えていた。


好美「苦手な物は何もないけど・・・。それよりさ、気になる事があるの。」

守「どうした?」

好美「最近バイト多くない?無理し過ぎだよ、何で?!」


 恋人の少し圧が加わった質問にタジタジしてしまった守。


守「お金欲しいから。」


 数日前、この事に関して守のバイト先の店主である我原も心配していた。


我原「最近根詰めすぎじゃないのか?どうした?」

守「好美と過ごす初めてのクリスマスなので何かプレゼントしたくて。」


-㊺ 覚悟への感謝-


 守の言葉に涙した我原は今月のバイト代に少しばかりだが色を付けておくことにした、その上での質問なのだが・・・。


我原「当日休みあげた方が良いよね、何処か行く予定なの?」

守「20時に予約を入れてディナーに行く予定なんです。」

我原「良いじゃないか、結構頑張っているって事は相当な高級ディナーって事じゃないのか?」

守「そうですね、1人8000円なんで今から頑張らないとです。」


 守が口にしたとんでもない値段に驚いた我原は守のバイト代に20000円程付け足す事を心に誓った、良い話を聞かせて貰ったお礼という事にしておいた。


店員(電話)「では12月24日当日、20時でお待ちしております。」


 別の日のランチタイム、店員の重く聞こえたこの言葉を思い出しながら守は好美に例のお店のチラシを見せた。


守「勝手にして申し訳ないんだけど。クリスマス・イヴにこの店を予約したから。」


 守が差し出したチラシを見て涙を流す好美。


好美「何で知ってんの・・・。」

守「この前美麗(みれい)ちゃんが見せてくれたんだよ。」

好美「美麗(メイリー)が?」


 何故か恋人同士で美麗の呼び方が異なっている2人、ただ意見が合わなくなっている訳では無かったので全くもって問題なし。


守「美麗(みれい)ちゃんに感謝しなきゃな。」

好美「本当、後で美麗(メイリー)に電話しとく。」


 松龍で出逢った恋人たちは、皆で集まって一緒によく遊ぶ仲になっていたので全員と連絡先を交換していた。美麗へのお礼の電話は守から先にしておいたのだが、やはりここは気持ちの問題。


守「うん、是非しておきな。」


 ただ好美には気になる事が1点。


好美「そう言えば皆はどうするんだろうね、実はこのチラシ美麗も一緒に見ていたんだけど金上君は何か考えているのかな。」


 その横から聞き覚えのある女性の声がした。


女性「守君と好美じゃん、もしかしたらご飯終わっちゃった?」

好美「桃、丁度皆の話してたの。」

守「あれ?正は?一緒じゃなかったの?」

桃「コンビニ行ってるよ、どうしてもホットドッグが食べたいって走って行っちゃった。」

好美「何それ・・・。」

守「相変わらずだな・・・、今朝もそうだけど毎朝ホットドッグ食ってるのに今日は昼もかよ。」


 桃は少し呆れた様子でため息をついた。


桃「ホントよ、こんなに別のコンビニで食料買ったのにまだ欲しいんだって。」


 そう言うと桃は弁当が5個入った袋を持ち上げてテーブルに置いた。


好美「これ、2人分だよね。」

桃「いや、これ全部正の。私のはこっち。」


 桃は反対の手に持っていた袋をそっと置いた、中にはミートソーススパゲティが1皿。


桃「もう先に食べちゃおうかな、伸びるのやだもん。」


 桃が蓋を開けようとしていると正がやっと手に入れたホットドッグをがしっと掴みながら息を切らして走って来た。


正「お・・・、お・・・、お待たせ・・・。」

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