第74話 (ドイツ)ノイバンシュタイン城も馬糞まみれと王様散歩猫(ふさふさ長毛黒猫)
和也の知人がミュンヘン駐在なので会いにミュンヘンに行く。
快適特急で約4時間。クワイエット車両なので静かで、革張りシートは快適快適。
都会の街並みからあっと言う間の牧歌的、山岳的風景に変わるのを楽しんでいると、都会風景になりミュンヘン到着。
駅には和也の知人の松村和子さんが待っていた。夫は他社勤務なので、単身で赴任されたそうだ。
最近は女性の単身駐在も珍しくないけど、他社では珍しいらしく最初の頃は色々言われたと、豪快に笑うサバサバした方だった。
松村さん運転のフォルクスワーゲンでホテルに行き、そこから和也はまた支社に行ってしまった。
いつのも放置コースだ。
でも、ウイーンで観光を欲張ってしまくったので、夢乃はその日はそのままホテルで休むことにしていた。
夕方、和也がレストランに行くので迎えに来るまで爆睡していた夢乃だった。
よく眠れた!
翌日は事前予約していたツアーバスでノイバンシュタイン城方面観光!
日本語コースはいっぱいだったので、英語コースにしたら、台湾人、イタリア人、ロシア人、ハンガリー人、フランス人、アメリカ人、台湾人、ブルガリア人、香港人に私達の日本人と結構国際色豊かで驚いた。
車内では隣にきたブルガリア人カップルと仲良くなり、年代も近いので色々な事を話した。楽しかった!
車窓はあっ!という間に都会風景から、森林風景に変わり、最初に木彫りの村でお買い物~~(いきなりですか?笑)。
リンダーホーフ城、ヴィース教会、ホーエンシュバンガウに着いたらホーエンシュヴァンガウ城とノイシュヴァンシュタイン城までは往復自由行動。
そして…馬糞てんこもりで臭い。
観光用馬車がいるからねー。
緑の木々と色とりどりの花々。おとぎ話に出てくるような可愛い建物。輝く青空。雪を残す山々の峰が見えでまさに絵画の様に美しいが。
馬糞が道に累々と…。笑
てなことで、そーゆーのは無視して二つのお城をサクサク見学。どちらも日本語オーディオガイド付きだし、あちこち説明書きあるので、昔来た時よりどちらも見やすくなっていて楽しい。
綺麗になったねー。それにトイレも増えた(笑)
城と麓の町を繋ぐ坂道には、ところどころ石垣の塀があり、その向こうには深い森や渓谷がある。
その塀の上を黒いふさふさ長毛の猫が悠然と歩いていた。
途中途中に家やレストランがあるのでそこの飼い猫か?麓の飼い猫が観光客について城を往復しているのか?
その悠然と歩く姿はここの主のようでカッコいい。
数人の観光客が触ろうとするが、その無礼な手をひょいひょい除けながら、すたすた進んでいく。塀が途切れて草地になっても一定のスピードで歩く。
前方から観光客満載の観光馬車が来たので、徒歩の観光客はみんな脇に避ける。
猫も立ち止まり避ける。
そしてまた歩く。
車がくるとまた避ける。
猫も立ち止まり避ける。
そしてまた歩く。
そんなことを繰り返しながら麓の町に着く。
気づいたら猫を見失っていてがっかりした。
ホーエンシュヴァンガウ城に向かい窓からみると、既に夕刻で美しい夕日に照らされたノイシュヴァンシュタイン城がお伽話のように森の上に夕刻に染まる山々を背に聳えていた。
「綺麗」
そうつぶやく夢乃に、和也が聞く。
「結構盛り沢山なツアーで大満足だったね。どこが一番よかった?」
夢乃は小首を傾げて笑って言った。
「猫と歩いたノイシュヴァンシュタイン城からの帰り道かな?」
追記:
色んな人の話しが混じっています(笑)
湾岸戦争時代に観光に行かれた方の話では、当時は観光する気ないだろう!?
てなくらい酷い感じで、世界10大がっかり観光地よ!!と思っていたそうです。でも21世紀に入り再び観光して見たら、観光に力入れています!アジアの方々よろしく!!な態度激変状態にびっくりしたと・笑
その過去の世界10大がっかり観光地を巡るのが…いつの間にか観光目的になっていました・笑
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