第73話 (オーストリア)花の都は馬糞まみれとわんにゃんアパートメント
花の都ってパリだっけ?ウイーンも花の都とか言われるよね?
パリは犬のうんちだらけだったけど…ウイーンは馬糞まみれな気がする。
夢乃は朝の散歩で馬車に轢かれて長く伸びた残骸を踏みつけ、最低な気分で悪態をついていた。
建物は美しい、白とブルーと金でできているかのよう。いたるところの壁に街灯ににピンクに紫にブルーに黄色の南国とは違う洗練された可愛い花々が飾られ、まさしく絵画のように美しい街!均整の取れた美しい石畳の道。
パーフェクトな街なのに…
足元は観光用馬車等の馬のボロからこぼれた?馬糞まみれな気がする。それを馬車が轢き、車が轢き、自転車が轢き、バイクが轢き、人が踏みつけ町中に広げていく感じだ。
てなことで、夏季休暇を利用して旅行にきているのだが…。
ホテルは朝起きて窓を開けると、大聖堂の綺麗なモザイ屋根や美しい均整の取れた石畳の街が一望できる。観光スポットも徒歩圏内でめちゃくちゃあるし、移動手段も日本並みに正確で安全で清潔な乗り物が多数あり安心して移動できる。
cafeも沢山あるしね。
砂塵のない空気は美味しいし。暑くないし!水をほどほどに含んだ空気で、気温も最高だし!色が鮮やかに見えるのは紫外線が多いせいなのかなあ?等と最高なんだが
この馬糞臭さと場糞まみれの石畳は何とかしてほしい物だ。
考えたらエジプトは直ぐになんでも干からびるので、馬糞臭さとかなかったような…いや…あるが…いろんな匂いで訳わかんなくなっているのか?風が吹くから拡散されているのか?暑すぎてそんなコマイかいことまで考えられないのか???
等等考えながら、目的地の美術館に向かう夢乃と和也なのであった。
初夏はどの国でも過ごしやすくていいよね。一番美しい季節だと思う。カイロは真夏とちょい冬短期間しかない気がするが(苦笑)
さて、猫である。
旅行に行ったら、目的の一つは猫!
実は宿泊しているホテルの前がアパートメントなのだが、その美しいレースと綺麗な卵色の上質なカーテンがかけられた窓に、三毛猫と寅嶋猫がいる。
最初は置物かな?と思ったが、窓を開けた夢乃の方に、一斉に目を向けたので、生きている猫らしい(笑)
手を振ると、猫達は目を細めた。
宿泊客からのアクションに慣れているようだ。可愛い。
なので、このホテルに宿泊している間は、朝晩欠かさず猫チェックをして、猫達に手を振り朝の挨拶をする。
1日目、チェックインした時は、真ん中の窓に三毛猫と寅嶋猫がいた。
1日目夜。寝る前に見たら、三毛猫と黒猫がいた。おおー!実は多頭飼いなのね。
2日目朝、真ん中窓に三毛猫と黒猫。その隣の窓(カーテンの色がサーモンピンクなので違う家?)に白いふさふさの高級そうな猫がこちらを見ている。3匹に手を振る。白猫がしっぽをゆらゆらしてくれた。可愛い。
2日目夜。真ん中窓に三毛猫、その反対の左窓に黒猫と寅嶋猫が移動。右窓に白猫が3匹になっている。
ん??3匹!?分裂したか!?いやいや、猫屋敷なのか???カイロのあの猫専用フラットみたいな家?いやいや、カイロならともかくこの超!!一等地区でそんなマニアックな金持ちそうそういないだろう??
3日目朝・・・・
真ん中窓に三毛猫と黒猫。左窓に寅嶋猫、さらに左窓に白黒猫。この白黒も同じ部屋の猫か?カーテンが同じだから同じか??
で、右窓に白猫2匹。更に右窓に白猫と長毛キジトラが1づつ。そして、その階の下の窓に、ドーベルマンが見上げてきている…。
ペットショップのアパートメントなのか?凄いペット率なんですが???
凄いなあとみていると、下の通りをビーグルを散歩させていた人が、その建物の中に入って行った。暫くすると下の階の窓が開けられ、そこからビーグルが顔を出し上を見上げる。
え?何をみんな見ているの??・
じりっと夢乃は冷や汗をかいた。
え?もしかして…自分が猫達を見物していたつもりだが…もしかして??自分が犬猫達に見物されている??
最終の4日目の朝には、そのアパートメントの9割の窓から、犬猫に鳥かご(いや鳥かごは違うだろう…)が、夢乃を見上げたり凝視したりしている構図になった。
動物好きには天国だけど…ちょい怖いなあと思うウイーンの馬糞とアパートメントの思い出だった。
追記:
ウイーンとか南ドイツとか周辺は大好きです。でもあそこらへんの観光地はどこも馬糞臭かった思い出なのですが…たまたま???
そして、そのわんにゃんアパートメントのそばのホテルは今はどうなったのかはわかりません~。
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