第66話 カイロバイブル漫画騒動と猫漫画(生きた猫は0)


 夢乃が初めてカイロに来た頃に、れいの同年代奥様お茶会で、とある商社の奥様達からいそいそと聞かれた事がある。


「夢乃さん、夢乃さんは漫画とかお読みになられます?」

 ハイソで上品な奥様達ばかりに圧倒され、猫を被っていた夢乃は、その庶民的発言に猫を1枚脱ぎ捨てて前のめりになった。


「読みます!鬱になりそうなのとか、理解不能なのやあまりにも気持ち悪いの以外はなんでも読みます!友人にコミケ参加者もいるので同人誌もたまーーに読みますよ」

 彼女達はにっこり微笑んで上品に言う。


「〇家の紋章の最新刊はお持ちになられた?」


 〇家の紋章???


 説明しよう。1976年!!からずーーーっと!某少女雑誌で連載されている、紀元前1500年前くらいのエジプトを舞台にした、タイムスリップしたアメリカ人少女とエジプト少年王?との激動の恋愛漫画なのだ!


 そう…知らなかったが、一部現代??過去の現代?と古代カイロが舞台になっているので、一部のカイロ在住奥様達の間ではバイブル的漫画らしい!

 が‥。

「すみません。知りません。どういう漫画ですか?」


 そう言うと、二人は露骨にがっかりした顔をした。


「あーいいのよ。お気になさらないで」

「夢乃さんもお持ちになられたかと思っただけなの」


 二人はそう言い、お茶を飲みながら二人だけわかる話をしだした。

 つまり、もう夢乃は用済みなのでお話しをしませんから、他の方とお話しをしてくださる?と、いうアピールである。

 しかもしつこく傍にいたのを不快に思ったらしく、トイレに立った時に背後から聞こえる声で

「新しくいらしたのに役に立たない方ね」

「気が利かない人ね」

 と いう追い打ちを掛けられ、実を言えばトイレで悔しくて泣いたよ。目薬さして何事もなかった顔で戻ったけどねー。

 お茶会には目薬と胃薬必須よ!


 当時はそういうお付き合いの匙加減が分からず、延々と仲間に入れてもらえないまま愛想笑いをして知らない話題に疎外感を感じて悲しい思いをしていた頃の話し。


 で、帰宅して速攻で調べた。

 どうも話題として知らないと他でも恥をかきそうなので、買えるのなら電子書籍で購入しようと思ったのだが!!!


 その時点で60巻を超えていた!!!!!!!

 (2023年で調べたら69巻だった!)

 凄すぎる!!!


 で、調べたら中古でも結構あるので、中古で10巻ほど購入し、母に頼んでおくっつてもらう事にした。


 結論として届きませんでした。エジプト着までは追跡できたが、その後行方不明になりました…。何故???


 母が何故か責任を感じ、近所の〇ックオフで購入し再度送ってくれ、1か月かかってやっと届きました。

(本の購入代より送料の方が高いので、今考えれば電子書籍で買えばよかったなあと。あ、あの時電子書籍でなかったのかも?記憶あやふや・笑)

 

 読んで納得。成程、カイロ在住者としては、これは嵌るかも。

 10巻で中途半端な終わり方だったので、また10巻送ってもらい…まあ最終的には60巻読むのは無理なので、途中でギブしたのですが。


 話の流れが分かったので、その後はその話題を振られても参加できるようになり、よかったよかったでした。

 

 さて、その時に母が〇ックオフで猫関連の漫画も幾つか見つけてくれて、一緒に送ってくれたのですが‥。

 何故か全部、見られた形跡がありました。

 母が1冊1冊濡れないようにと、ビニール袋に梱包していたのが、猫の本だけ全部外されていて、読んだ感じに膨らんでいたから。

 しかも!!何ページか破られていたりして!!そこに何が描かれていたのか凄く気になるので、電子書籍で買い直しとかしたりしていました。

 破られた箇所は、大概猫UPの絵やカラー絵でしたね。

 やはりエジプト人は猫好きなんですねー。


 ああ、もちろんまたリスト見ると無くなっていた猫漫画数冊ありましたねー。

とほほほほ。


 やはり小包関連は危険だなーと悟り、以降は書籍はほぼ電子書籍で読むようになりました。

 

 てなことで、生きた猫の話しは0の回でした(笑)


追記:

実はエジプト関連漫画って結構あるんですよね。可愛いのから、恋愛、バトル物に、本格的歴史書漫画から色々あり解釈も色々で面白いです。

あの後、考えたら、読んでいないのを分かったんなら貸してくれればいいのにねー。セレブだけどケチだよね(笑)

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