第21話 アレキサンドリアの海と猫 (海辺の猫とファリーダ)
アレキサンドリアはカイロからずっと北にある、地中海に面するエジプトではカイロにつぐ第二の都市を言われている。歴史もてんこ盛りの観光地でもあり、漁業の街でもあり、交易の街でもある。
(和也説明パクリ)
地中海の真珠と言われているだけあり、湾曲した海岸線に並ぶ真っ白な建物と、目の前に広がる青い海のコントラスが本当に綺麗!
欧米風の建物とアラブ風の建物と現代風の建物が混在し、その中に歴史建造物や遺跡があちこちに点在している。
ポンペイの柱、ローマ円形劇場、アレキサンドリア図書館、アレキサンドリア大灯台、昨日見たカイト・ベイ。スキューバをすれば海底に眠るクレオパトラの宮殿?の残骸も見れるらしい。
(スキューバは今度紅海でしようと和也が言う)
で、いるいるやはりいる。どこにでもいるエジプトの猫達。
円形劇場の湾曲した石の席に、まるで観劇するように点在して寝そべる猫達には思わず笑った。日が照ると、劇が終って一斉に帰るように消えるのもまた面白い光景だった。
その猫達は木々の間で地面にお腹をぺたりと伸ばしてあてて、目を閉じて涼んでいた。気持ちよさそう。
てなことで、観光は涼しい午前中に済ませ、午後はのんびりホテルのプライベートビーチで海を見ながら、地中海を見ている。ここでこんな感じで明後日まで、だらだら過ごす予定だ。
ファリーダもリードをつけて、縞々タオルを敷いたチェアーの上で丸くなって寝ている。よしよしと撫でると、ぐるぐる喉を鳴らす。
やっぱり旅慣れているよねえ。
ビーチにも猫はいる。
浜辺に打ち上げられる魚を狙っているのか?波打ち際をキャットウオークする姿を見た時はびっくりした。
ホテルのビーチスタッフの話しによると、港や堤防の方にはもっと猫が沢山いるらしい。見に行きたいけど、今回はその時間がないので残念~。
後ろを振り向くと、ホテルとビーチの境の壁の日陰にも、一列に猫達が砂の上で涼んでいる。猫は快適な場所をよく知っているんだよと、ビーチスタッフが笑いながら、特製アレキサンドリアカクテルを置いていく。
ハイビスカスが刺されたエキゾチックなグラスに注がれているのは、ライムと甘い果汁ベースの軽いカクテルで美味しかった。
時々海で泳いだり
(その時、ファリーダは心配そうに首をもたげてずっと私を見ているのが可愛い!)
チェアーの上で寝そべり本を読んだり、まどろんだり。暑くなったらホテルのテラスに戻って涼んだりと、とにかくゆったりと過ごした。
あ~~~カイロに戻りたくないなあ…。
カイロは好きだけど、どうにも日本人同士の付き合いがいまいち馴染めないのよね。
どこの国の日本人社会は人が集まれば似たような感じになると、高田支社長夫人は達観した顔で言うけど…私は経験浅いせいか、いまだに心にさざ波が立つことが多い。
何というか特殊な社会。
世間が狭いと言うか、監視というか束縛と言うか…。
学生時代の女学生のグループに似ている気がする。ホラ、トイレまでみんなで一緒に行くアレ?ああいうの苦手だったので、ここでも苦手だ。
何よりどこで誰がどんな噂を無責任に立ててながしているのかが分からないのも、また嫌だなあ…。目の前でにこにこ話していた人が、後ろ振り向いた瞬間に悪い顔で私の悪口をそこにいるのに平気でするのもよくある話だ。
また、どこからか流れて来たとんでもない私に悪意ある噂にへこむことも何度もある。
噂はどんなに火消しても後を絶たないので、堂々をしていればいいというけど…
凹むんだよね~~~。
でもファリーダが来てからは、凹む率が減った気がする。
大の字で椅子に寝そべるフリーダをなでなでしながら、私はふふふと笑う。やっぱり猫はいいなあと思いながら。
さあて!明日にはカイロへ戻る!
つかの間のバカンスだったけど、またがんばっていこう!!
追記:
カイロでも美味しい海鮮料理はたべれるけど、やはり海を見ながら新鮮海鮮料理はおいしい!!時々無性に食べたくなり、連れて行って貰いました。
猫も沢山いますよー!
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