第8話雛の友人の話
昼休み、それは学生にとっての貴重な休息時間。教室全体でガヤガヤと騒がしく、かくいう
「そーいえば鈴木は?」
「昨日から喉やったらしいよ」
こんな感じの当たり障りのない会話を続けていた。ちなみに鈴木、
そうこうしていると教室のドアが開き、どこかで弁当を食べていたのだろう、
そこで
(
今しがた
しかし、ここで
どちらの人間性も知らないため、どちらが黒幕の可能性が高いかなど判断できるはずもない。そもそも
そこでふと
(こいつなら何か知ってるかも。)
「なぁ
「なんだよ?」
「お前、あの2人の中で罰ゲームとか好きそうな方どっち?」
「何その質問。知らねー、あんま喋った事ないし。俺なんかじゃ近づけねーよ。」
(イヤミか貴様!!!)
鬼の形相が
「でも、そーだな…強いて言えばあっちの小清水、
そう言って
「
品定めするように
「てか、何?
隣でなにやらごちゃごちゃ言っているのは聞こえていたが返答することなく、
(
典型的弱者男性。犯人探しは一筋縄ではいかないだろう──
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「おい、マジかよ。」
時は過ぎ、下校時刻。
生徒玄関で
「雨降るなんて天気予報なかったぞ。だいたい…」
ぶつぶつと文句を言いながら、折りたたみ傘を探す。しかし見つからない。
(走るしかないか…)
最悪の決断だが、勢いよく降り続く雨は当分止みそうにない。幸い
(でもなぁ濡れたくねー。)
雨に濡れるのは本能的な嫌悪感がある。濡れないで帰れるのならそうしたい。
止みそうにない雨、ない傘、早く帰宅したいと急かす気持ち。何度かの逡巡の後、
体操服袋で頭を覆い、スタンディングスタートのポーズをとる。
(ここから家まで全力で走れば8分ちょい。)
足に力を込める。
(なるべく濡れずに、よし!ダッシュだ!!!!)
右足が地を蹴る。
「──ストーップッッッ!!!!」
を決める
(あ…)
「あ…」
バターーン!!
激しく地面と衝突する
「わわわ、大丈夫?!カットバンあるから!治したげる。」
それに気づいた
「あ、いえ、これっくらい大丈夫です、よ…」
そこまで言いかけて口は開いたまま言葉が途切れた。目の前でバックに手を突っ込んで絆創膏を探す女子生徒。茶色い髪をまっすぐ伸ばし、シュッとした小顔に切れ長の目を持ったクールな印象の女子生徒。
「こ、
目の前にいた女子生徒は
急に名前を呼ばれた
「はい、呼ばれました!私が小清水です!!!」
敬礼のように、右手を右目の眉あたりに当ておどけてみせる。
偶然か必然か、罰ゲームの犯人を聞くにはこれ以上ないチャンスが訪れた。
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新キャラの追加になると、必ず起こる「名前何しようか問題」。私は人の名前を覚えるのが極端に苦手なので時々雛や大也のことも忘れる時がある。なるなら名字は毎回1話に戻って見てる。
これ以上キャラを増やしても大丈夫なのか…
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