第5話デートの物語Ⅱ
それは、
勿論嫌われたからといって、それを口実に
1ヶ月間つまり残り3週間程経てば2人は別れてしまう、これは変えられない事実。
そのため
(今日はぜっっったいあんたに嫌われてやるから!)
(やっぱ
雛《ひな》が何を考えてるのかなんて見ず知らず、呑気にそんな事を考えていた。
──デートプランを決めてなく、これといってしたい事も無かった2人は、妥協案としてショッピングモールへ向かって歩いていた。
特に喋りたい話題もなく、2、3回のラリーで終わる表面的な浅い会話をしている中、
(いいチャンス!紳士的対応を強要するクソ女ムーブをすれば好感度ダウンだわ!)
「ねぇ…」
「あ、ちょっと待って。」
作戦を実行するために口を開いた
状況に困惑し出しかけた言葉が行く先を探すように口をパクパクさせる
(あ〜靴紐ね…解けたのかしら。)
(靴紐、解けてないじゃない?!)
靴紐を結ぶ動作を装うように指先を動かす
(何がしたいの…?)
しばらくもしないうちに
─ッ?!
その瞬間
(こ、こいつ靴紐を結ぶと見せかけてさりげなく女子を車道側から遠ざけた。女子に気を遣わせないためにあくまで自然な流れで行えるように…)
恐ろしく早い解説。つまり
(これじゃあ作戦失敗じゃない!)
(こんなんじゃ終わらないわ、絶対に今日は嫌われるんだから!次ッ!)
今回の勝敗、
ショッピングモールに着いた2人は
「
目の前にズラリと並ぶキラキラと金属光沢で輝くピアスや指輪に目をやられながら
「あんまつけないけど、てか着けたら何か悪いわけ?」
手に取ったピアスを耳に当てながら
「あ、いや、別に。ただイメージないなって。
「今は穴あけなくてもいいやつもあるの。」
「そ、そうなんだ…欲しいなら買うけど?」
(ここで高い物を要求すれば、好感度ダウン間違いなしね!)
「─なら私、これ欲しいんだけど」
そこには周りとは文字通り桁違いな数字が載っていた。高校生のお小遣いにはかなりの痛手だ。
これを見た
(流石にこれは買えないし、こんな高い物を買わせようとする女なんて嫌いになるに違いないわ)
確認するためだろうか財布を取り出そうとしている
(流石に高すぎるから買ってもらいはしないし、そもそも断るでしょこれ。)
「分かった買うよこれ。」
「え?」
「─ちょっと待って!!!買わなくていいから!!嘘だから!!」
(ダメダメダメ!流石に高すぎるから買ってもらうのは罪悪感が凄く凄いことになっちゃう!!)
正気を取り戻した
「──あ、ありがとう…」
結局買ってもらった。
(こんな高い物買ってもらっちゃったじゃない!!次よ次ッ!!)
今回の勝敗、
波乱のデートはまだまだ続く
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