川辺の選択

ボートに真紅の葉が落ちるのを待つ人がいる。


満杯になれば出発できるらしい。


時間がかかりそうだ。


私は歩いて渡れる場所を探す。


霧深く視界が悪い。


近くに砂利道があった。


これで先に逝った家族に会える。


途中で霧が晴れてきた。


向岸が見える。


振り返ると船着き場の先は底なしの闇。


ボートが出発した。

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