ひまわりの奇跡

視界一杯の向日葵に埋もれる宝物。


小麦色の麦わら帽子に白いワンピースが眩しい。


娘が走り出す。


追いつけずお日様色の海に消える。


神隠しだ。


近くの祠にすぐ供え物を──夫が肩を掴む。


「娘は一年前に──」


振り返れば一つだけ枯れた向日葵。


持ち帰り種を庭に植えよう。


きっとひまわりの贈り物だから。

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