一、二、三夜あたりまでは、ただただすごいな、と思って読んでました。これほどの短編を一日一作? むう、これは三ッ星しかない、と、感服しながら進めてたんですが。
第四夜も面白いな、とは思いました。実はこの中ではいちばん好みの一作です。湾多は噺の方面は最低限の知識しかないので、こういうふうに落語っぽい語り方を自分の手の中で転がせている作品には「いいなあ」という思いしかありません。ただ、オチが。これはよくわからない詠み手が鈍いのか、書き方の問題なのかちょっと迷いました。タイムトラベルを繰り返している人間に時間遡行の薬を使ったら、どうなるのか? その人の個人誌が逆転して、結局江戸時代に戻ってくるんではないのか? そもそも記憶も全部パーになってしまうのでは? などと考えると、読後感がどうにもうやむやなままで。まあ、ここは深く考えるような筋ではなかったのかなとも思いますけれど。
第五話がねえ。やっぱりアレのパロディだったのか、と思いつつも、なんでこのオチなのかと w。うん、話は面白かったんだけど。
第六話は、ストーリーにもうひとこねほしい印象でした。作者が考え込んで、そこで話を止めてしまったような感じ。もう一ネタあればよかったんでしょうけれど、ここは難しいのかな。
第七話は、いっそおまけなしの方がよかったかも。ところで、急いで口で吸えって、反射的に出てしまったただの往年ギャグですよね? いや、ただの確認です 笑。
なんにしてもこの瞬発力、本音で素晴らしいと思います。毎週とは言わなくても、毎月ぐらい出せませんかね、これ?
作者からの返信
お読みいただき、感想までありがとうございます。
二話は、あれ大丈夫なんですかね。いや、マジで。もうほんと時間もネタもなくて、気づく人がクスッとしてくれればいいや、で書いたんですが。
一話、三話のようなのは二〜三時間の猶予があるなら、ネタなしからでもいくらでも書けるような気がします。まあ何かしら自分の中でモチベーションがあがらなければ、おまけみたいに頓挫する可能性も充分ありますが。
四話は、いや実は私も近くに寄席もあるような環境になったにも関わらず、生の噺聴きに行くようなこともなくてですねえ。日曜演芸とか名人劇場とか落語のごとかは好きで見てましたけど、むしろ子供の頃に読んだちくまだかの圓生全集だかの名残りで書いてる気がします。
サゲの部分が思い浮かばず、流して書いてしまったのでそのモヤモヤは申し訳ありません、書き手の力量不足です。
しかし、にしてもちゃんと書けてなかったなあと反省なのが、ご隠居はタイムトラベラーなのではなく、ミッションを達成しても現代に帰ってこれないタイプの異世界転移者だ、ということです。……うーん、書けてないもん、求めるほうが無理筋だよなあ、とはわかってるんですが。
勝手に転移させられて、戻れないから戻るための方策を探して、なんとか現代に戻ろうとしている、その過程、という設定です。現代の知識がベースになってることは作品中でも書いてたつもりですが、ギャグなのかどうか分かりづらいラインになってるので、まあなんかいっぱい失敗しているのかと(苦笑)。
五話は、なんであのオチかといわれると私も困るというか、落とそうとしていた方向にいってくれなかった、だけですw
そもそも最初は男のつもりで書いてないという……あ、パロディというにはタイトルだけですね。花婿で書いてればも少しパロディ路線行ったんでしょうが、そもそも原典あまり知らないという……。
六話はずばり正解でしょう! オチ考えてる暇なく、時間もないのでああなりました……ほんとは六道ネタとかも絡めたかったんですが。
七話は……ただやりたかっただけです、あそこはw 正味使える時間が一時間足らずだったんで開き直って書いた、という。
毎週は死にますね、いやマジでw
30年前ならねえ、マジで一日一掌編書いてた時期もありますが、あれは若さだよなあ。いまは流石にw
編集済
薬局でレジにいた男のことを。
『お酒飲んだあとに服用するのはやめてください』
『……え、あ、はい』
『二日酔いにはまず水分を摂るのが効果的です。でも迎え酒なんて絶対にだめですよ。とにかく水を飲んで、トイレに行くこと』
『は、はい』
『あと、お粥とか味噌汁でいいから、ちゃんとお腹に何か入れましょう。できればこういう薬は飲まないほうがいいです』
マキが手に提げているビールがいくつも入ったスーパーの袋を見て言っているのだろう、男は矢継ぎ早に注意事項を挙げていく。
『……そういうの、わかってるから』
さすがに鬱陶しい、マキがそう思った瞬間に口をついて出た言葉だ。普段は店員に対してこんな態度は取らないのに、レジで説教なんてするから――そんな言い訳がマキの頭に浮かんだ。
『本当ですか?』
『本当です、って、何でこんなこと言わないといけないの』
『心配だからですけど。よくあのパチ屋の裏でタバコ吸ってますよね。この間も飲みに行ったって話してて』
そうだ、だるい会話だなと侮っていたところを、あの男の言葉が刺したんだ――などと思い出してみても、二日酔いの頭痛が治るわけでもない。
「あーもうっ。レトルトのお粥あったかな……」
マキはだるい体を引きずるようにキッチンへ行き、戸棚の扉を開けた。グレーのパーカーのフードを白衣の上にだらしなく出して偉そうにレジを打っていたあの男の言葉は、ロキソニンより存在感がある気がした。
よしっ、ラブ方面に行けましたね!(タブン)
なぜ三人称で始めた?
作者からの返信
急に何が始まったんだと思ったら続きか!!
なぜラブ方面にしたかわからぬが(覚えてないけどラブ方面にする気はなかったはず)、三人称で始めたのは三人称なりのオチにしようとしていた気が……多分w
「ああ、頭なんかなければ痛くないじゃないか」
マキの頭が、ごろりと転がり落ちた。……テキトーすぎるw