大散弾

「スワンプマンって知ってるか?泥の男って書いてスワンプマン」

「知ってるよ。【どこでもドアを実現しようとしたら転送元で人体を分解して転送先で再構成した方が現実的だが、それは前の人間と同じ物質構成であっても同じ存在なのか?】って問いかけだろ?創作で手垢がついた議題だね。ひまつぶしにもならない。反省して経歴泥だらけ人間」

「説明ご苦労。インターネットでスワンプマンって聞いて思い出したんだけど、実は俺、君に言ってなかったすごい秘密があるんだ……聞きたい?どう聞きたい??」

「さっさとしてよ。おねしょ最高連続記録12回ニンゲン」

「いやなんで知ってるんだよ」

徐に袖を捲って肩を見せる。

「これ、見とけよ〜〜」フン

『『『ワ〜〜〜!!!』』』

肩から生えた無数の小さな口が喚いている。

「うっわ!!!キモチワル!!!!!!」

今まで平然としていたAは流石に度肝を抜かれて大きく後ずさる。机が2つ3つ倒れた。

「俺さあ細胞単位で生きてるんだよね。俺と言う存在の最小単位が極小の細胞であって、65兆の"俺"が寄り合った世界なんだ、この体は」 

「え、でだからなんなの。ミスター蓮コラ生物」

「だからさぁ素粒子レベルで分解するどこでもドアなら無理だけど、細胞レベルで分解するタイプなら俺はクリアしてるんじゃねえか!?」

最後の言葉だけ全身の細胞から発しているようで、1人でハーモニーを奏でている。

「……まだ頭が整理できてないけど。少なくとも一つ問題点はあるわ」

「え、ナニナニ」

「分解して死なないとしたら、転送先で再現した後あんたが2人に増えることになる。これじゃあ転送じゃなくてただの増殖よ」


「………」


「……………」


「…………………」



「🤔🤔🤔🤔🤔🤔🤔🤔🤔🤔」



「マジでキモいからその顔無数に出すやつやめてくれない?本当にキモいから」

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