5月

 

 時が流れ、5月になった。俺はまだクラスメイトと話せてすらいない。「まだ話せてねぇー。まず俺みたいな陰キャが話しかけれるわけねーんだよ!助けてくれ宏樹〜。」「無理だ。頑張れ」

「お前はいいよなぁ〜陽キャ寄りだし。」昼休みに窓の外を見ながらそんな話をしていた。

キーンコーンカーンコーン。次は国語だ。

 俺は授業を聞かずに外を見ている。

「ねぇ、ずっと何見てるの?消しゴム落としてるよ」「うぉ!?びっくりしたぁ」「何してるの?」「えっと..外の景色見てた」

「へぇ〜。なんで?」「外はいろいろなもので満ち溢れていて場所によって景色が変わってくるから綺麗なんだよ。」「ふ〜ん。」そんな会話がクラスメイトとの初会話だった。そんなある日の帰り道。

俺はいつも通りに歩いていた。すると席が隣の彼女。

濱崎桃花が座り込んでいるのが見えた。僕は道を変えようとしたが、彼女が何か辛そうにしているのが見えたので声をかけた。大丈夫と言わんばかりの視線を飛ばしてきた。それでも俺はどうしたのか聞こうとした。だが、聞かずにも怪我をしていることに気がついた。「はいこれ。使って。」俺は彼女にハンカチと絆創膏をあげた。

俺はそれ以外用がなかったのであげたあとそのまま走って帰った。

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