第47話 ドジっ娘メイドに、実況と解説をつけてみた

実況「どうも皆様、こんにちは。週刊メイド実況の時間となりました。実況の毒寺舌人どくでらぜつひとです」

解説「この番組では数々のメイドさんに私どもの方でその行動に実況と解説を入れると言うこのコーナー。今回で8回を迎えました。解説の種木清二たねきせいじです。舌人さん、今回は?」

実況「今回は箒谷家ほうきだにけのメイド、柊言葉ひいらぎことはさんです。言葉さんは俗に言うドジッ娘メイドです」

解説「箒谷家は掃除に役立つ商品……例えばお風呂掃除用のスプレーや使いやすいスポンジを開発して財を成した、所謂綺麗好きなお家でしたよね? そんなお家にドジッ娘メイドとは大丈夫なのでしょうか?」

実況「清二さんのおっしゃる事はもっともです。早速、とある一日を覗いてみましょう」



実況「朝の5時。彼女、言葉さんの起床時間です。ゆっくりとではありますが、ベッドの中で伸びをしたりして、覚醒しようとしていますね」

解説「それにしても部屋が綺麗ですね。流石、箒谷家で働くメイドさん。清潔感はちゃんと守っているようです」

実況「おや? そろそろ起きるようですよ」

言葉《ふにゃー。朝でちゅか……》

実況「噛んだー! 噛みましたー!」

解説「ナチュラルにやっているのがポイント高いですね」

言葉《……//////》

実況「顔を真っ赤にして恥ずかしがっているみたいです! 初心です、相当な初心のようです」

解説「1人で居る所からこうとはかなり期待出来そうですね」



実況「さて、着替えた後に厨房へとやってきたようです」

解説「時間は午前6時前。この家での朝食の時間はおおよそ7時くらいらしいですから、妥当な時間ではあるでしょう」

言葉《さーて、お味噌汁はっと……。――――! あ、甘い!》

実況「出たー! ベタな定番中の定番行為! 砂糖と塩を間違えるだ!」

解説「ちゃんと文字付きシールとか、色とかを変えたりして対策は取っているようですが、それでもダメなようですね」

実況「さぁ、どうするんでしょうか?」

言葉《え、えっと……こここをこうしてっと……》

実況「おおっと、いきなり昆布を入れ始めた! これはどう言う事でしょうか、解説の清二さん」

解説「あれは恐らく塩昆布ですね。昆布の塩気と、昆布の食感をプラスする事によって、砂糖と塩の入れ間違えを帳消しにしようとしているみたいです」

実況「なるほど。それはポイント高いですね」

解説「どうやら彼女は相当な料理好きなようです。ドジッ娘メイドは普段の勤勉な態度とドジをしてしまった時のギャップが溜まりませんが、彼女はそれを持ち前の知識で素早く対処しているのが良いですね」

実況「解説の清二さん、べた褒めですね」



実況「さて、朝食も無事終わり、お掃除の時間のようです。先程から雑巾で丁寧に磨いております」

解説「同じところを何度も拭いております。余程の綺麗好きなようです」

言葉《ふふーん。ラララ~》

実況「ご機嫌ですね」

解説「ご機嫌ですなぁ」

御子息《おおい、言葉。ちょっと良いか》

言葉《はい、ご主人様。何か御用で……はっ!》

『ジャバーン!』

実況「おおっと、大変な事になりました! 言葉さん、仕えている主人の御子息様に派手にバケツの水をぶっかけた!」

解説「いっそ狙っているかと思われるくらい、べたにかかりましたね」

実況「言葉さん、すぐさま拭きに走りますが、拭いているのが先程まで使っていた雑巾とは気付いていない!」

解説「御子息様も慣れているのか、手慣れていますね」

言葉《ごめんなさい! ごめんなさい!》

御子息《いや、大丈夫だって、本当に》

言葉《で、でも!》

実況「……この御子息様、許しておられる中、終始視線が下のようですね」

解説「無理もありません。言葉さん、結構な巨乳でございますから。しかも水を少し被ったみたいで、何故かブラジャーが透けるぎりぎりのラインで水を被っています」

実況「狙っているように見えますが、ドジッ娘なのですよね?」

解説「はい、天然なようです」



実況「さて、そろそろクライマックス。お風呂の時間のようです」

解説「箒谷家では男の執事が箒谷家の男性、女のメイドが箒谷家の女性の背中を流すのが風習になっております」

実況「背中まではなかなか眼が届きませんからね。これは箒谷家だけの風習なのでしょうか?」

解説「少なくはありますが類似例も報告されていますね。ですが他の7件では見てないケースでしょう」

実況「おおっと、そうこうしている内に言葉さんの番のようですね」

解説「背中を流す相手はこの家の三女、泡子あわこさんです。まだ小学生のようで可愛いですね」

実況「ハァハァ……ロリだよー……」

解説「舌人さん、自嘲しましょう」

言葉《泡子ちゃん、じゃあ、お姉さんがきれいきれいしますからね》

泡子《うん! お姉ちゃん! ありがとう!》

解説「なんとも微笑ましい光景ですね、舌人さん」

実況「ハァハァ……良い子だね……お兄さんとも遊ぼうか……」

解説「警察通報しますた」

言葉《じゃあ、背中を……っと、あっ!》

泡子《きゃあ!》

『ムニュ!』

実況「おおっと、なんて言う事でしょうか! 床に置いた石鹸で滑って、泡子たんの上に載っちゃいましたよ!」

解説「もしこれが男性でしたら完全なサービスシーンですね」

実況「いえ、十分サービスです! キリッ!」



実況「さて、皆様。いかがだったでしょうか? 今回のメイドさん、柊言葉さんは?」

解説「ドジッ娘ではありますが、それをきちんとフォローしている良いメイドさんでしたよね。前に見たドジって家に火を点けるメイドとはまた別ですね」

実況「あぁ、3回目のあの娘は酷かったですよね」

解説「ですね。まぁ、あの回は置いといて、次回はどうなっているのでしょうか? 舌人さん?」

実況「はい。次回の第9回目は芸能界の大御所、演述のべる家のヤンデレメイド、黒川閨くろかわねやさんをご紹介します。では、皆様。御機嫌よう!」

解説「では、また」

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