第31話 悪の女幹部メイド

 日本東京某市。

 人々の平和を脅かす悪の組織、ジェノサイドが、蟹怪人キャンサーと蜘蛛怪人アラクネを使って、人々を恐怖のどん底に陥れようとしていた。


 しかし、それは謎の女、ただの一般人にしか過ぎないはずのメイドによって阻まれてしまった。


 大金をはたいて雇った戦闘員はメイドによって真人間に変えられて以来、組織に帰ってこないし。

 蟹怪人キャンサーはあの戦闘でお亡くなりになってしまった。



 それ以降、ジェノサイドは東京を拠点にし、メイドが居ない地域を狙って侵略を開始した。


 東北や北海道地域は熊の怪人ベアーによって支配完了。

 中部地方は鳥怪人バードによって征服完了。

 近畿地方は蛸怪人オクトパスによって服従済み。

 四国地方は海老怪人ロブスターによって部下へとなった。

 九州地方および沖縄は蛇怪人スネークによってジェノサイドの手に落ちた。


 日本征服もあと僅かなのだが、最後の地域、あのメイドが居る東京を含む関東地方が征服出来ていない。

 ぶっちゃけると、あのメイドが居る東京以外は全てジェノサイドの物だ。


「くそう! あいつめ! 我が部下をことごとく倒しやがって!」

「落ち着いてくださいクモ、アクジン総統!」


 と、あのメイドの顔を思い返して暴れだすアクジン総統を止める蜘蛛怪人アラクネ……いや、あれから多くの活躍を経て幹部となった蜘蛛女帝アラクネ。


「しかしだな、アラクネ! あのメイドさえ居なければ我らの日本征服は完了していた! しかし、あのメイドがそれを阻むのだ!」


 実際、アクジン総統も多くの怪人をあのメイドにぶつけた。

 正直、他の場所を攻めるよりもよっぽど強い戦力を傾けている。


 しかし、あのメイドは倒されない。

 闇討ちも人質も何も意味をなさない。

 打つ手なし、と言う所だ。


「しかしクモ! 奴は所詮、ただの人間のメイド! 必ずどこかに隙があるクモ!」

「そう思わなければやってられんよ……」


 しかし本当にどうすれば良いかと迷うアクジン総統。


 今まではヒーローだろうが、軍人だろうが、魔法少女だろうがなんにせよ勝ち目はあった。

 しかし今回の相手のメイドは今までに、ジェノサイドの怪人が何体もやられているのだ。

 それもただの一般人のメイドに。

 メイドであること以外は普通の一般人だと言うのに……。


「むっ……? メイド……? そうか、分かったぞ! アラクネ、今すぐ改造だ!」

「改造するのは大丈夫クモ。でもどう言った改造を……」






 それからしばらくして、日本東京某市。


「はぁぁぁぁぁぁぁ----!」


 ジェノサイドを今まで苦しめていたメイドは、今までの戦いで見せた事のない苦戦したような顔を見せる。


 そう、苦戦、苦戦である。


「ハハハ! 素晴らしい! 素晴らしいなのだ!」


 と、アクジン総統は嬉しそうな顔をする。

 今まではメイドの一方的な戦いであったのだが、今回の戦いではメイドとその怪人との戦いが白熱している。


「はぁはぁ……まさかこんなに強いとは予想外ですよ。メイドの私がここまで苦しめられるとは……」

「それを逆手に取った俺の采配の凄さと言う物だ」


 メイドが強い。

 ならば、こちらもメイドにすれば良い。

 簡単な話だったのだ。


 今、アクジン総統の目の前では、アクジン総統によって改造された怪人、いや怪人メイドが戦っている。


 艶やかな黒い髪に細く、しなやかな手足。

 どこでも見透かしたような瞳に6本の脚。

 そしてそのナイスバディを包み込むメイド服。


「さぁ、やれ! ジェノサイド最強の怪人、蜘蛛メイドアラクネ! メイドをやっつけるのだ!」

「かしこまりましたクモ」


 果たして、メイドは蜘蛛メイドを倒す事が出来るのか?


 頑張れ、メイド!

 ぶっちゃけ、もう主人は諦めムードだけれども頑張って戦うのだ!


 メイドの戦いは白熱のまま、続いていた。

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