第29話 誰かこんなメイド小説を書いてくれ【嘘作品紹介】

 小説投稿サイトには多くの小説が投稿されていますが、その中でも『メイド』を扱った作品は沢山あります。

 メイドとは主のために尽くす存在ではありますが、それでも小説作家の中には面白い作風でメイドを扱っている人が多いです。

 ですので、今回はそう言った面白い作風でメイドを扱っている作品を集めてみました。


軽く8作品くらい面白い作品を集めてみましたので、もしよろしければご覧くださいませ。


1.「メイドの推理は的外れ」(連載中) ジャンル:ミステリー

 タイトルからも分かる通り、推理物の作品。

 ただ、バカなメイドの推理が的外れな物であると言う作品では無く、何故かいつも事件を解決する前にメイドはテレビ番組で良く見るダーツボードを取り出す。

 分かりやすい例で表すと、某東京のフレン○リー○ークに出ていた商品の書かれたダーツボードである。

 この作品の主人公のメイドは推理を終えると、そこに容疑者の名前を書き、主人にダーツボードを回して、ダーツで犯人を言い当てる。

 ただ、毎回ダーツが刺さった場所がメイドの思っていた人物では無いようで、「ダーツは○○さんに刺さってはいますけれども……彼には犯人じゃないと証明出来ますよ?」と言う語り口調で推理を展開する。


 毎回、推理描写に関しては作者が大のアガサ・クリスティファンであるために、叙述トリックなしの本格派推理小説となっており、伏線と証拠、さらにはその犯行がどう行われたと言うトリックまで毎回物凄い完成度で書きあげている。

 ただ、問題のメイドの推理シーンに関しては、読者の反響は悪い。

 しかし、作者が「メイドが堂々と推理するのは簡単だが、それだと面白くない。だから、ダーツボードで狙った犯人でないのに焦る様を書きたかった」と言うコメントを載せてからは、反論意見は出なくなったと言う。



2.「勇者メイドと魔王メイド」(完結) ジャンル:戦記

 ファンタジー作品であり、神の使徒であるメイド2人が勇者と魔王となってお互いに戦い合うと言う作品。

 勇者と魔王がどちらもメイドであると言う異例の作品。


 勇者はパーティーメンバーと共に旅をするのだが、普通の勇者物だと敵に突っ込んで行くのが主流なのだが、メイドの性質そのものにパーティーを守りながら戦うと言うスタイルを取っている。

 また魔王は部下の魔王軍に対して、食事、洗濯などの家事を全て1人で行い、安心に戦えると言うスタンスを取っているため信頼も高い。

 結果、勇者側も魔王側もどちらも「メイドってすげー!」と言うのが世界の価値観となってしまい、徐々にメイドが増えてしまう。

 最終的には全人類がメイドとなって、神様までもメイドにするために立ち向かい、最後には自分が仕える主を探しに別世界へと旅立つと言うエンディングを迎えている。

 読者の反応は様々だが、全員が「勇者と魔王の対決はどうした」と言う事を疑問にあげている。



3.「メイド100人集まれー!」(短編) ジャンル:コメディー

 作者が「メイドが100人出る小説を書いてみました!」と言う事で始まる短編小説。

 短編でメイド1000人書くのは誰もが無理だろうと思って多くの人は小説を読み始めるが、読み終わると作者の言葉のトリックに感涙する者が出ると言う小説。


 実はこの「100人」とは本当に百人と言う訳ではなく、2進数の数字であり、実際にこの短編小説に登場するのはたったの4人である。

 これは皆、その方法があったかと読んだ後の感想では多くの人がそう書いている。

 ただこの4人のメイドがまたキャラの濃いメイド達であり、一度読んだら忘れられないキャラクター達であり、この4人のメイドの人気が人々を離さない魅力となっていた。


 その後、あまりの人気さ故に作者が「メイド100人集まれー!(連載版)」を開始し、この短編を知っている読者達はまた4人だけかと思っていたが、今度は本当にメイド100人を書き上げてしまった。

 連載版を読んだ者は「どうしてこの情熱を他に使わない!」と呆れたように語るのであった。



4.「大怪獣メイドラン」(連載中) ジャンル:SF

 「メイド」と言う言葉で検索すると出て来る小説ではあるが、我々が望むようなメイドは出て来ないSF小説である。

 世界の大破壊を行う大怪獣メイドランと戦うと言う、地球防衛軍の対決を抱いた小説。


 メイド好きなスレ主は初めてこの小説を見ていた時には「メイドが出てないじゃないか、チクショー!」と思って見始めたのだけれども、心の闇やすれ違いなど生まれる大怪獣メイドランの生まれる経緯や、雇用問題やゆとり教育の弊害などの社会問題、この地球が抱えている自然破壊や騒音問題などを主に扱っており、その匠に張り巡らされた伏線やこの世界の闇を書いたダークSF小説。


 あまりの暗さと現実感の闇が、小説の中に書かれているためにあまりにも面白く、読んだ後は自身の生きる意味を考えてしまう。

 最新話にてようやくメイド登場でヤッホー! と思いきや、そこで支配階級における地位の大切さを説いて来ているため、読んで心が折れそうになった。



5.「メイド・イン・メイロ」(連載中) ジャンル:ファンタジー

 迷宮の迷路を進みながら、そこに囚われてしまったメイド達を主人公が救うハートフルファンタジー。

 迷宮はそれぞれそのメイドが抱える闇を具現化したようなダンジョンになっており、若干某ゲーム会社のアニメ化されているゲームに似ているような要素が多い。

 今、主人公達は第8のメイドを救うために、主人公は今まで救って来た7人のメイドと、最初の迷宮からの仲間である幼馴染のつくしちゃんと共に進んでいる。


 作者本人は「メイド・イン・メイド」と言うメイドだらけのハーレム小説を書きたかったらしいのだが、「ド」を打ち間違えて「ロ」にしてしまい、「まぁ、これでも良いかー」と言う感じで内容が始まっている。


 ツンデレメイド、ヤンデレメイド、ほら吹きメイド、幼女メイド、完璧主義者メイド、クールメイド、ヒーローメイドの7人を今までに助けて来たが、主人公と良い雰囲気なのはだんとつで幼馴染のつくしちゃんである。

 つくしちゃんの献身ぶりさと包容力に「もうこっちがメイドで良いじゃん!」と言う声も多い。



6.「彼女がメイドに着替えたら」(完結) ジャンル:恋愛

 彼女がメイド服に着替えてご奉仕してくれる小説と思いきや、実際はメイド好きな彼氏のためにメイドを殺してその皮を被るという猟奇的なホラー作品。


 主人公である彼女は彼氏の事が骨の髄から大好きらしく、皮を被りながらもその皮の下から彼氏が大好きという気持ちをアピールしている。

 作者はラブコメ作品とこの作品を評価しているが、読者からの反応は完全にホラー作品一択である。


 文章はコメディチックなのに、やっている事はメイドを殺したり、殺した皮を新鮮に保ったり、警察を振り切ったりといったホラーだろうという内容になっている。


 最終的に彼女と彼氏は結ばれるハッピーエンドなのだが、その後嬉しさのあまり主人公がメイドの皮を破るシーンの生々しさのせいで、ハッピーエンドと言えるかどうか審議が今でもかもし出されている。



7.「クラスメイドが微笑むとき」(短編) ジャンル:学園

 クラスメイトならぬクラスメイドが、同級生の主人に対してニッコリと笑いかけるという事を主軸とした学園小説。

 ただメイドが主人に対して微笑みかけるという小説ながら、その描写能力の凄さに人気が集まっている。


 表現として「彼女は笑っているのに背中からは仁王像が見える」などがあるが、この小説の中では同じ表現でも仁王像とは何かと言う説明描写がとにかく詳しく入っている。

 その描写能力の高さは評価に値するが、肝心のクラスメイドが同級生に微笑んでいるという要素がほぼ打ち消されてしまっていると言う事がマイナス面として評価されている。


 続編「クラスメイドが悲しむとき」、「クラスメイドが楽しむとき」などがあるが、どちらも「微笑むとき」と同様に説明描写に力を入れすぎている。



8.「Hero and MEIDO」(完結) ジャンル:冒険

 魔王や魔神を倒して世界を600回以上救ったカンスト勇者が国王の魔の手によってレベル1になってしまい、自分を慕うメイド(Lv.10)と共に魔王を倒しに行くという冒険活劇小説。

 ちなみに仲間になる者は全員、紆余曲折の経緯があって最終的には全員メイドになる。


 勇者は国王によって飲まされたレベル1の薬によって、どんなに経験値を手に入れようともレベル1のままと言う仕様であり、仲間であるメイド達に経験値を分け与えつつ、彼女達を精神面で支えながら冒険を進めていく。

 ちなみに主人公をレベル1にした国王はとんだダメ王であり、今まで勇者に倒して貰った魔王や魔神は全て自分が原因であり、隠居している勇者をかつての勇者の仲間を人質に取ったり、村に火を付けるなどして無理やり戦わせると言う極悪非道のダメ王であるため、読者内での彼の呼び方は「ダメ王様」「むしろこっちが魔王様」と人気は低い。


 全3部構成であり、第1部にて仲間と共に魔王を倒して改心させる話、第2部では魔神を倒すために国王に捕らえられたかつての仲間達を助ける話であり、第3部では今まで自分を雑に扱ってきた国王を倒すため全精力を終結させると言う話。

 ちなみに第1部、第2部よりも第3部の戦闘描写に気合が入っている感は伝わってくる。


 レベルを元に戻す薬を飲み、怪物と化した国王を倒した勇者は、次代の王様と次代の勇者に後を任せ、今まで戦ってきた仲間と共に隠居生活を送るというラストで締めくくられている。


 続作「Hero and MEIDO 2」ではメイド達と共に隠居していた勇者の元に、次代の王様や次代の勇者などがやって来てトラブルを置いていくと言うストーリー展開に前作を知っている者からは「もう良いだろ」「勇者、お前はもう何もしなくて良い」などの感想が来ている。




 この8作品はメイドを扱う小説の中でもお気に入りのごく一部である。

 他にも面白い作品は数多く投稿されているので、ぜひ探してご覧あれ。

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