エピローグ

 一緒に暮らし始めて3年。


 子供も産まれて、とても充実したした毎日を送ってる。

 まさか、その子供に『リサ』と名付けるとは思わなかった。


『女の子なら絶対そう名付けたいって――俺にとっては、その大切な名前だから……』

 そう言いながら真っ赤な顔をしていた、エディが年上だけど可愛らしくて。

 ラファエルお兄様が、張り切って名付け親になろうとしていたのを退けた。


 そんなエディだけど、実は今はこの国の宰相として働いている。

 こちらに来て1年は、島の色々な所を回ったり、マグノリアに関する勉強をしたりと、比較的自分のペースでゆっくり出来ていたけど、分かってくるにつれ、この国の問題点に気づいてしまったらしい。

 それをラファエルお兄様に、私がぽろっと言ってしまったものだから、『あいつを呼んでこい!そこまで言うなら自分でやれ!』と半ば強制的な形で、ラファエルお兄様の執務官へ。

 気づけば、宰相まで昇りつめていた。


「俺、もっとゆっくり過ごすはずだったんだけどな……。でも、フランとリサの為に、この国をよくする事は良い事だから頑張る!」


 (才能あるのだから、生かしたら良いと思うの、うん)


 それに伴って、ノルバース様も宰相補佐という役割となり、伯爵位を爵譲されることになった。


「勝手に引き受けないで下さいよ!エディ!」

「俺がやりたいなんて言うか!ラファエル義兄さんが勝手に――」

「僕が何だって?」


 (なんだかんだと、この3人、いいトリオだと思うのよ)

 

 今まで、神格化されてしまったラファエルお兄様に面と向かって文句を言えるのは、兄弟だけで。

 義兄弟であっても、遠慮なしに色々と言える関係性って良いと思うのよ。


 (なんだか、より人間味が増した気がするし)


 ぱっとみた感じ、近寄りがたい雰囲気を持つラファエルお兄様を補佐する事は、エディにはピッタリだと思う。


 エディ本人も『俺は2番目のほうが合ってると思う』といって、結構宰相としての仕事が好きなようだ。


「じゃあ行ってくる」

「はい、いってらっしゃい、旦那様」


 私がそう答えると、エディは玄関先でうずくまった。


「えっ、エディ?」

「今、見ないで。真っ赤な顔をしてるから……」

「ふふ」


 こんな可愛い旦那様と3人。

 色んな事があったけど、今日も幸せだなって。


 私は実感して、空を見上げたのだった――。


 




******


今回も読んでいただき、ありがとうございます。

また何か思い浮かんだら、番外編など書いてみたいと思います。


リクエストあれば下さい!


それでは、また!


 

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【本編完結】見ず知らずの私にプロポーズをしないで下さい! 桃元ナナ @motoriayu

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