第7話

 笑い声が大きくなった。

「イヒ、キヒヒ、イヒヒヒ! 教えてやってもいいけど条件がある」

「さっきの話なら、なしだぜ」

「そうじゃねえ。トリグッズを、もしも手に入れたら、こっちにも分けてくれってことだ」

 手に入れたトリグッズが分けられるものなのか、私には分からなかった。

「トリグッズには種類があるようだ。品物によっては分割できないだろうよ」

 そう言う私に脳内電波で相手が語った。

「最初の週はトリのスマホリングだ。輪っかなんだから、切ればいいんだよ」

 スマホリングを切って何の意味があるのかと、私は尋ねた。

「あるのさ。スマホリングには、物凄い価値があるんだからよお」

「そんなに立派な物なら、アンタも狙えばいいじゃないか」

「ライバルが多いのさ、例えば」

 脳内電波で通信している相手は何か言いかけたが、語らずに通話を切った。

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