白いランドセルと初恋

始業式・・・１

今日から6年生。

わたしは朝からドキドキしてる。

なんたってクラス替（か）えがあるんだから！

いつもより少し早起（はやお）きして、鏡（かがみ）の前（まえ）で入念（にゅうねん）に髪型（かみがた）のチェック。

私の髪（かみ）はまっすぐで真（ま）っ黒（くろ）。

寝癖（ねぐせ）ができると髪（かみ）をしっかり濡（ぬ）らさないともとに戻（もど）らない。

良かった。

寝癖（ねぐせ）ついてなくて。

わたしはブラシでなんども髪（かみ）をといた。

朝ごはんのおにぎりを食べながら考える。

彼と同じクラスになれるかな？

実（じつ）は4年生から彼、初恋の結城（ゆうき）紘斗（ひろと）君（くん）とは同（おな）じクラスだった。

4年生の始業式（しぎょうしき）の日。

あの日は本当に嬉（うれ）しかった。

実（じつ）はわたし、彼の名前を知（し）らなくて、始業式（しぎょうしき）の日幼馴染（おさななじみ）の睦月（むつき）に彼の名前を聞く予定（よてい）だった。

けど、そんな必要（ひつよう）なかった！

だって同じクラスで、名前はすぐに分かったから。

4年生のクラス替えで新しい教室に入り、彼の姿を見たとき、わたしは心の中で神様（かみさま）に感謝（かんしゃ）した。

この2年間、結城（ゆうき）君と同じクラスで本当に幸（しあわ）せだったなぁ。

小学校最後（さいご）の1年。

6年生も同じクラスになれますように。

心（こころ）の中で神様（かみさま）に祈（いの）る。

わたしは白いランドセルを背負（せお）って元気（げんき）よく「いってきます」と玄関（げんかん）の扉（とびら）をあけた。