はじまり・・・2

ひとめぼれの初恋はつこいをするまで、わたしには「好き」なものが沢山たくさんあった。


ママ

パパ

お兄ちゃん

いちご

マーマレード入りヨーグルト

ママのオムライス

睦月むつき

ななちゃん

桐島先生きりしませんせい

漫画まんがのキャラのリード君


かれへの「好き」はその中のどれともちがっていた。


好きなのに一緒いっしょにいてもうれしいだけじゃなくて

こころおくがギュッとなる感じ

こんな気持ちを「せつない」っていうのかな


気づいたらかれのことを見ていた。

休憩時間きゅうけいじかん、男子が校庭こうていあそんでいる。たくさんいる男子の中からすぐに彼を見つけられた。

彼にだけスポットライトが当たってるみたいに見える。

ふしぎだった。


彼の声もすぐに分かった。

教室でともだちと話をしてても、ろう下で彼の声がするとわたしはこっそり教室の入り口をみる。

じつは時々ときどき彼と目が合う。それがまたうれしくて、心の中でいつもガッツポーズをしていた。

ちょっとでも姿すがたが見たくて、放課後ほうかご彼がよくあそ公園こうえんとおりかかってみたりもした。


今までのわたしとはちがうわたし。

今までどんなふうにごしてたかもう分からないけど、なんとなく、あの日をさかいに変わった気がしてる。

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