26話 なぜ、つながらないのか
いろいろ打ち合わせた結果、カフェのメニューが決まった。
お義父さんから協力したお礼もせしめた!
この臨時収入で、顕界に行ったら買い物三昧しよう。慣れたとはいえ、やっぱりスマホがほしいし外食がしたい。カフェメニューの研究したいからカフェ巡りしたい。
曾じいちゃんのところに行って文句も言いたい。あ、ついでに結婚祝いもせしめないとだな!
両親は絶対にくれないどころか私が何をしようが興味も示さないだろうから死んだことにするとして、曾じいちゃんはどうも私がこうなることを分かっていた節がある。なら話しとけや! って思うし、曾孫を生贄にすんな! とも思うので、文句を言わねば気が済まないし、ついでに責任を取らせたい。お義父さんには曾じいちゃんからキッチリ回収してもらいたいね!
とか、考えつつお金を握りしめていたら、
「顕界につながらないと意味のないものだけどね」
とかお義父さんにツッコまれた。
「顕界に行きたい気持ちはありますよ。つなげ方がさっぱりわからないからどうしようもないってだけです。正直、お義父さんのところから顕界に行かせてもらえないかって考えているんですけど」
私がそう言ったら、お義父さんがニッコリ微笑んだ。
「あ、ソレだけどね。茶有の異界の者が出入りするようになったから、顕界への道は閉じました。何かあったら危険だからね」
……さようでございましたか。
若干怒りの波動が含まれているのは、いいかげん親に頼るなって考えているんだろうな。おっしゃる通りでございます。
「……わかればつなげられるんだけど、わからないのがなぁ……。未練がないわけじゃないですよ、実際。今だって顕界が気になってますから。行きたいところはたくさんあるけど、それでもつながらない」
特定の場所でなければダメ、というから、比較的安全そうな
邪念で家電量販店がチラチラ思い浮かぶけど……。さすがに無関係の家電量販店と異界をつなげて迷惑をかけるわけにはいかない。
「茶有に訊いてみよう」
コツがわからないからつながらないんだ。こっちにいる顕界人にどうやったらつながったのか訊いてみないとダメだろう。だって、つながる気がしないもん。
お義父さんのところにはつながっているけどね! これまたサッパリわからない。
確かに神社とココじゃ、ここのほうが断然行きたい場所だ。というか、神社は仕事をもらいに行くところだからね! とはいえ、顕界と異界と、というレベルで比べたら断然顕界の方へ行きたい。
ゆえに、きっとコツがあるはずなんだ。ここがつながるなら顕界にだってつながるはずだもん。
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