第14話 サッポロ一番

「ありがとうございます。

 ありがとうございます」


村人が感謝の言葉を繰り返し言う。


優勝者は……


シエラさんとしいたけくんだった。


「ありがとうございます。

 シエラさま、しいたけさま」


感謝カンゲキ雨嵐。


まさにそれだ。


無限に作られる野菜。

繰り返し作られる野菜。


僕の世界には、連作障害というものがある。


連作障害とは毎年、同じ場所に同じ野菜を栽培することで、その野菜を冒す病原菌や有害線虫が多くなったり、土壌の中の養分が不足したりして、野菜の生育が悪くなることをいう。


でも、しいたけくんが作る土にはそれがないらしい。


無限に野菜を好きなだけ作れる。


「白菜、椎茸、に~んじん♪

季節のお野菜いかがです♪

サッポロ一番!塩ラーメン♪」


聞き慣れたフレーズが耳に入る。


ってこの歌!!


僕はこの歌の主を探した。


そこにいたのはオッドアイの男の子がいた。


「カナタくん、塩ラーメンってなに?」


女の子が質問をしている。


「異世界から来たお姉さんが歌ってたんだー」


「へぇー

 カナタくんなんでも知っているんだね!」


女の子が照れ笑いを浮かべている。

これはもう恋しているな……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る