イマジナリィ・ネットスーパー始動 2
草が移動してくれたことにより、白い生き物の全身が見えるようになった。
万が一これがわたしをおびき寄せるための罠だったとしても、わたしはこの魔物と戦う術を持っていないし、逃げ切れる自信もない。
ということで、白い生き物にゆっくりと近付いてみることにした。
伏せのような恰好の白い生き物は、大きく上半身を動かして、やっと息をしている状態。
その体幹は、真っ黒な液体に染まっていて、今なお黒い液体が体のあちらこちらから流れ出ている。
本当に怪我をしていて、苦しんでいるようだ。
「どうしよう・・こんな時定番の異世界転移だったら、治癒魔法とか使えるんだろうけど・・・」
ピコン!
「あ、また出た。」
今度は黒い半透明の板が出てきた。
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【商品種別:治癒魔法スクロール】
<商品と対価を選んでください>
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□ 【商品名:上級治癒魔法スキルスクロール】
対価 □ 虹貨10000枚
□ 物々交換 <交換するものを入力( )>
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□ 【商品名:上級治癒魔法スクロール】※1度きりの使い捨てスクロール
対価 □ 白金貨100枚
□ 魔力10000
□ 物々交換 <交換するものを入力( )>
□ 卸
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【!!警告!!】
あなたが商品を使おうとしている対象は呪われています。
治癒魔法だけでは、命を助けることはできません。
合わせて解呪のスクロールと浄化のスクロールも購入することをおすすめします。
【商品種別:解呪魔法スクロール】
<商品と対価を選んでください>
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□ 【商品名:神級解呪魔法スキルスクロール】
対価 □ 物々交換 <交換するものを入力( )>
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□ 【商品名:神級解呪魔法スクロール】※1度きりの使い捨てスクロール
対価 □ 物々交換 <交換するものを入力( )>
□ 卸
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【商品種別:上級浄化魔法スクロール】
<商品と対価を選んでください>
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□ 【商品名:上級浄化魔法スキルスクロール】
対価 □ 虹貨10枚
□ 物々交換 <交換するものを入力( )>
□ 卸
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□ 【商品名:上級浄化魔法スクロール】※1度きりの使い捨てスクロール
対価 □ 金貨5枚
□ 魔力100
□ 物々交換 <交換するものを入力( )>
□ 卸
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<購入しますか?>
□ いいえ
□ はい
※ 該当の□をタッチ、または選択項目を音声入力してください
※ 物々交換を選択した場合は、交換するものを( )に音声入力すると、査定を開始します
<決済開始>
※ 選択が完了すると、<決済開始>がアクティブになります
◆
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「・・・これ毎回やるの?」
扱いが不便なスキルに戸惑いながら、選択していく。
凶と出るか吉と出るか分からないけれど、何となく、放っておけない。
いや、絶対に放っておいちゃいけない感じがする。
白い生き物の呼吸が、だんだん弱くなっている。
急がなければ。
上から順番に、
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【商品名:上級治癒魔法スクロール ※1度きりの使い捨てスクロール】
対価 ■ 卸
【商品名:神級解呪魔法スクロール ※1度きりの使い捨てスクロール】
対価 ■ 卸
【商品名:上級浄化魔法スキルスクロール】
対価 ■ 卸
<決済開始>
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「決済開始」
音声入力をすると、ブォン、と音がして、また一瞬画面が暗くなる。
今度は、さっきのように10秒で画面が明るくならない。
(もしかして商品によって、時間が違うの?何時間もかかったらどうしよう・・)
不安に押しつぶされそうになりながら、両手指を組んで祈るように待っていると、数分で画面が明るくなった。
「良かった。間に合いそう。」
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【商品名:上級治癒魔法スクロール ※1度きりの使い捨てスクロール 出荷準備完了】
【商品名:神級解呪魔法スクロール ※1度きりの使い捨てスクロール 出荷準備完了】
【商品名:上級浄化魔法スキルスクロール 出荷準備完了】
<配送先を指定してください。>
□ ストレージ
□ 目の前
□ その他<配送先を入力( )>
※ その他を選択した場合は、配送先を( )に音声入力してください
<配送開始>
※ 選択が完了すると、<配送開始>がアクティブになります
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「目の前に。」
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【商品名:上級治癒魔法スクロール ※1度きりの使い捨てスクロール 出荷準備完了】
【商品名:神級解呪魔法スクロール ※1度きりの使い捨てスクロール 出荷準備完了】
【商品名:上級浄化魔法スキルスクロール 出荷準備完了】
配送先
■ 目の前
<配送開始>
※ 内容を確認して、よろしければ<配送開始>をタッチ、または「配送開始」と音声入力してください
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「配送開始!」
音声入力直後、目の前にぽんっ!ぽんっ!ぽんっ!と3本の巻物が現れ、ふよふよと浮いている。
手を伸ばすと、ストンと落ちてきて、わたしの腕に収まった。
「えっと、使い方は、定番だとスクロールを読んだり破ったりだけど、どうやって使うんだろう?」
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