ステータス 1
持ち物は、無かった。
アキラメルノハマダハヤイ
オヤクソクテキナモノガアルカモシレナイ
そう思いながら、着ている物を身体検査をするように、パタパタ叩いてみた。
エプロンに小さなポケットは付いていたけど、上から叩いても何も入っていなかった。
念入りに着ている服を叩いたり、縫い目を手でなぞってみたりしたけれど、服のどこかに何かが縫い付けられていることもなかった。
スカートも捲ってみたけれど、スカートの中にも靴の中にも・・・何も無かった。
無い物探しは早々に諦めて、異世界転移したら必ずやるであろうことに挑戦することにした。
(ええっと、定番の台詞で見られるといいんだけど。)
「ステータス」
小さく呟くと、目の前に半透明の板が浮かび上がった。
板の向こうが透けて見えるのに、文字はしっかりはっきり読むことができる不思議。
(よかった。ステータスが確認できる。これは大きなアドバンテージだ。)
ステータスが表示されたことに安堵しながら、自分のステータスを確認していく。
名前:メープル
年齢:8
職業:―
魔力:7/10
体力:9/10(隠匿 体力:999/999)
スキル:料理<Lv.1/10>(隠匿 スキル:イマジナリィ・ネットスーパー、魔素変換、ストレージ(無限収納内時間停止)<Lv.1/10>、鑑定<Lv.1/10>)
称号:―(隠匿 称号:異世界の知識を持つ者、
加護:―(隠匿 加護:創造神クレエの加護)
「わぁ~、いっぱいくれたなぁ。えっと、定番だと詳細を知るには、詳細を知りたいステータスをタッチ、かな?」
地球には無かった「魔力」をタッチ。
思った通り、詳細?が表示された。
【魔力:7/10】
一般的に年齢と同じ数値の魔力量を持つ。
魔力量により使える魔法の種類や回数が決まるが、魔力制御と工夫により、結果が変わることあり。
魔力1の目安:種火10回、水両手1杯
「少なっ。でも魔法が使えるだけいいのかな?・・あれ?3減ってるってことは、まさか、わたしのスキルって使うのに魔力を消費するの?」
この世界に来てから使ったのは、鑑定だけ、のはず。
鑑定したのは、毒性のある美味しそうなブルーベリーに似た青い実に、草、石、木・・・
それも両手で足りるくらいしか使ってない。
それなのに、10の内の3も減ってるって、魔力1で両手いっぱいのお水が出せることを考えると、魔力の消費が大きすぎる気がする。
慌てて「スキル」の文字をタッチする。
【料理<Lv.1/10>】
一般人に比べ、同じ材料、同じ手順でも、美味しいものを作ることができる。
レベルが上がると、素材の目利き、料理技術、素材採取能力も上がる。
「これは創造神クレエ様がくれたんじゃなくて、わたしが元々持っていた能力っぽ・・・」
【イマジナリィ・ネットスーパー】
貨幣、魔力、物々交換、卸のいずれかを対価として、地球の空想の産物が購入できる。
地球産のカエデの空想の産物もこれに含まれる。
「要らないって言ったのに!」
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