ツヴァイウントドライスィヒ 後片付け

『そうか。闇の奴隷市場の開催場所と時期は不定期で、人攫ひとさらい達も連絡を受けるまでは奴隷をどこに出荷すれば解らない仕組みとなっておったか。我が甥よ』


城館に戻った自分は、当家の御領地を御治めになられていられます伯父上に対して、不逞ふていやから達に関する御報告を申し上げております。


『はい。伯父上。フロリアーヌ女史が根元魔法の一つである命令魔法ベフェールス・ツァオバーを使われまして、人攫ひとさらい達の首魁しゅかいが耐え難い激痛の余り狂い死ぬまで尋問を続けるのをこの目で確認をしましたから。少なくとも首魁しゅかいは嘘をいてはいなかったと思われます』


甥である自分の報告に対して、伯父上は御頷きになられますと。


首魁しゅかい以外の不逞ふていやからも、全て処分したのだな?。我が甥よ』


『はい。伯父上。フロリアーヌ女史が根元魔法の原子核崩壊アトーム・ツェアファルを使われまして、死体も血痕も何一つ残さずに、綺麗に片付けられました』


自分は天から根元魔法の素質は授かりませんでしたが、放棄された古い砦跡の地下にある食料貯蔵庫に閉じ込められていた婦女子達は。淡々と無表情に死体と血痕を原子核崩壊アトーム・ツェアファルでフロリアーヌ女史が消し去る様子を、恐怖で引きった眼差しで眺めていました。

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