アインウントドライスィヒ 美を感じる同志

『見事な御手並みです、騎士シュヴァリエ様。全て一矢にて心の臓を射抜かれていられます』


『恐縮です。フロリアーヌ女史♪』


不逞ふていやからである人攫ひとさらいの集団がかどわかしたり、賭場シュピーラー・ヘレでの借金の質草にされた婦女子が捕らわれている、放棄された古い砦跡の地下にある食料貯蔵庫から出て来られたフロリアーヌ女史は、着衣に一切の乱れが無くて安心をしました♪。


『さて、先程私に対して話した内容を、騎士シュヴァリエ様にも御話をしなさい。無法者デァ・ゲゼッツ・ローゼ首魁しゅかい


『は、はい。お、仰せの通りにいたします』


美しい瑠璃之青アツーア・ブラオの瞳により、私が射殺した不逞ふていやから達の遺体の状態を感心された様子で御覧になられていられたフロリアーヌ女史ですが。地をう地虫を見るのような眼差しを、小刻みに震えながら平伏をしている人攫ひとさらいの首魁しゅかいに向けられる姿も美しいと感じます♪。


『帰ったら直ぐにフロリアーヌ女史と騎士シュヴァリエ様の御姿を、絵に描かせて頂きます♪』


画家志望の芸術家の卵である灰色グリザイユ君も、フロリアーヌ女史に対して私と同様の美を感じる同志です。

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