ズィーベンウントツヴァンツィヒ 潜入計画

「ヒュウッ。今までの中で最高の上玉だぜ。支配人♪」


「最高の上玉なら、商品の品質に見合った代金を支払ってもらえるのだろうな」


一代で傭兵ゼルドナーから、伯父上が御治めになられていられます城下町にある、賭場シュピーラー・ヘレを経営する支配人となられた人物の言葉に。下品な口笛を吹いた軽薄そうな男は苦笑を浮かべまして。


「年寄りには適わねえな。お頭には伝えておくよ」


男はそう言いますとフロリアーヌ女史に対して、好色そうな下卑げびた眼差しを向けまして。


「競りに掛ける前にお頭に味見を許してもらいてえが、これ程の上玉なら目玉が飛び出る高値で売れるだろうから、傷物には出来ねえな。抵抗せずに大人しく付いて来れば、痛い目には合わせねえよ。金髪ブロンデス・ハールの嬢ちゃん」


安っぽい恫喝どうかつを行う三下奴さんしたやっこに対して、フロリアーヌ女史は御辞儀を行われますと。


「はい。宜しくお願いをします」


これから何が起きるのか知らない三下奴さんしたやっこは、歪んだ笑みを浮かべまして。


「素直な嬢ちゃんだな。誰か競り落とすは知らねえが、きっと可愛がってもらえるぜ♪」


支配人に協力を頂きまして、賭場シュピーラー・ヘレでの借金の質草としてフロリアーヌ女史を、人攫ひとさらい達による闇の奴隷市場に潜入して頂く計画は順調に進んでいます。

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