ゼクスウントツヴァンツィヒ 奴隷という商品を

男爵バローン閣下の御依頼内容には、一切変更は無いのですね?。騎士シュヴァリエ様』


伯父上との話を終えましてから、城館内に割り当てられている部屋で待っていられました、フロリアーヌ女史と灰色グリザイユ君に対して自分は頷きまして。


『はい。フロリアーヌ女史。ただ、闇の奴隷市場で競りに掛けられる予定の婦女子に関しては、他家の御領地から人攫ひとさらいの手によりかどわかされた恐れがありますので。不逞ふていやからを討伐する際には、巻き添えにならないように根元魔法を行使するようにとの、伯父上からの御言葉です』


この点に関しては、伯父上から特に念押しをされました。フロリアーヌ女史が自由に根元魔法を使われますと、周囲の巻き添えを一切気にされないだろうと、御考えになられていられるように感じました?。


『承りました。騎士シュヴァリエ様』


フロリアーヌ女史が美しい金髪ブロンデス・ハールを揺らしなが御辞儀をされますと、グリザイユ君が。


男爵バローン閣下も、他家の御領主様との厄介な問題を抱えるのは、避けたいと御考えになられていられるのですね』


グリザイユ君の見解に同意をしまして。


『以前にも話しましたが、伯父上が御治めになられていられます当家の御領地において、最大の産業となり多大な税収を得ているのは奴隷市場ですが。魔道具の製造に欠かせないミスリルズィルバーの鉱石を採掘する鉱奴や、魔法薬ツァオバー・トランクの調合に欠かせない百合リリウムを栽培する農奴を購入して頂いている。近隣の御領地を御治めになられていられます貴族諸侯であらせられる皆様方とは、友好関係を維持される必要があります』


奴隷という商品を安定的かつ大量に購入して頂けるのは、御領地を御治めになられていられる貴族諸侯であらせられる皆様方ですから。伯父上としても近隣の御領主様とは、友好関係を維持される必要があります。

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