ツヴァイウントツヴァンツィヒ 資金洗浄

賭場シュピーラー・ヘレは、資金洗浄を行う為にも利用されているようです。騎士シュヴァリエ様に、フロリアーヌ女史』


城下町にある賭場シュピーラー・ヘレでの情報収集を終えた自分達三人は、伯父上の御下命ごかめいによりフロリアーヌ女史に城館内に割り当てられた部屋に集まり、お互いの情報収集の結果を話し合っています。


賭場シュピーラー・ヘレで賭事に帝国ターレルの金貨や銀貨や銅貨を使用すれば、御金の出所を探るのは難しくなりますから。男爵バローン閣下の御領地を荒らす無法者デァ・ゲゼッツ・ローゼとその協力者が、資金洗浄に利用するのは納得がいきます。灰色グリザイユさん』


金髪ブロンデス・ハール瑠璃之青アツーア・ブラオの瞳をされている、十三歳のフロリアーヌ女史による讃辞を受けたグリザイユ君は、満面の笑みを浮かべまして。


『ありがとうございます。フロリアーヌ女史♪』


十代後半の画家志望でもある芸術家の卵のグリザイユ君からしますと、絵の画材としたい絶世の美少女にしか見えないフロリアーヌ女史の役に立てるのは、心底よりの喜びとなっているようです。


賭場シュピーラー・ヘレを経営する支配人に、営業許可を与えていられますのは伯父上ですから。自分達の捜査に協力をしなければ、営業許可の次の更新が難しくなると、揺さぶりを掛けてみるべきでしょうか?』


自分の提案に対してフロリアーヌ女史とグリザイユ君は、少しの間思案されましてから。


『良い御考えだとは思いますが、もう一工夫加えるのべきかも知れません。騎士シュヴァリエ様』


フロリアーヌ女史の言葉に、グリザイユ君は楽し気な笑みを浮かべまして。


『何か悪辣あくらつな手段を考え付かれたようですね。フロリアーヌ女史♪』


グリザイユ君に対してフロリアーヌ女史は、美しい瑠璃之青アツーア・ブラオの瞳を向けられまして。


『否定はしません。グリザイユさん』

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