ツヴァンツィヒ 同性の男性の気持ちに対する理解

賭場シュピーラー・ヘレでの遊戯には、計算力を必要とされる種類もあるのですね。隊長様』


賭場シュピーラー・ヘレは基本的に男の社交場ですからな。淑女マドモアゼルのような女性にはいささか難しいですな♪』ニギッ、ニギッ、ニギッ。


「良いなあ隊長。金髪ブロンデス・ハール瑠璃之青アツーア・ブラオの瞳の絶世の美少女をはべらして…」


「上機嫌だよな。娘くらいの年齢の淑女マドモアゼルなのにな」


灰色グリザイユ君の情報通りに、城下町にある賭場シュピーラー・ヘレには、衛兵隊の隊長や隊員達が遊びに来ていますが。賭事に使っている金額は、毎月金融機関に振り込まれる俸給ほうきゅうだけでは明らかに無理な数字となっています。


チラッ、チララッ。


『おっと。人を待たせているのでした。男は付き合いも仕事の一部ですので、これで失礼させて頂きますな。淑女マドモアゼル♪』ニギッ、ニギッ、ニギッ。


『はい。隊長様。賭場シュピーラー・ヘレに関する様々な知識を教えて頂きまして、心底よりの御礼を申し上げます』


フロリアーヌ女史が恭しく深々と御辞儀を行われて御礼を述べられますと、衛兵隊の隊長は自尊心をくすぐられた男性特有の笑みを浮かべまして。


『いやいや、楽しい一時を過ごす事が出来ました淑女マドモアゼル♪。御返しいたします、騎士シュヴァリエ様』


『はい。隊長』


隊長はフロリアーヌ女史の事を非常に気に入られたようですが、男性として気持ちは理解出来ます。

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