ドライ 吸い込まれるような深みのある美しい瞳

『ご入り用の品が御座いましたら、何なりとご用命下さい。傭兵ゼルドナー様』


『有難う御座います家宰様。心底よりの御礼を申し上げます』


伯父上は帝国自由都市リューベックにある叡智ヴァイスハイト学園にて根元魔法を学ばれていられる、魔法使マーギアーいの傭兵ゼルドナー殿だと仰せになられていましたが。城館内に割り当てられた個室に案内をされた年長者でもある家宰殿に対して、恭しく深々と御辞儀を行われて感謝の気持ちを伝える優雅エレガントな姿は、どう見ても美しい金髪ブロンデス・ハール瑠璃之青アツーア・ブラオの瞳をされた淑女マドモアゼルとしか思えません?。


『あー。傭兵ゼルドナー殿?。さえ宜しければ、侍女に紅茶を淹れさせまして、伯父上の御領地を荒らす不逞ふていやからの討伐に関して、話し合いをしたいのですが』


自分の提案に対して傭兵ゼルドナー殿は、吸い込まれるような深みのある美しい瑠璃之青アツーア・ブラオの瞳で見詰められまして。


『はい。騎士シュヴァリエ様。男爵バローン閣下の御領地を荒らす徒党を組む無法者デァ・ゲゼッツ・ローゼを、速やかに殲滅フェアニヒトゥングするのが私が受けた依頼となります』

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