ツヴァイ 甥である自分が知らない伯父上の人間関係

『家宰』


『はい。御領主様』


伯父上に対して代々当家に家臣として仕えていられる自分よりも年長者の家宰殿が、完璧な所作で優雅エレガントに恭しく深々と御辞儀をされますと。


不逞ふていやからを討伐するまでは、傭兵ゼルドナーには我が城館に滞在をしてもらう。個室を用意せよ』


美しい金髪ブロンデス・ハール瑠璃之青アツーア・ブラオの瞳をされている、魔法使マーギアーいでもある傭兵ゼルドナー殿の美貌は、帝都アーヘンの上級貴族ホーホ・アーデルの皆様方に多く見られる特徴ですが。帝国の貴族諸侯であらせられる男爵バローンの爵位の伯父上が、家宰殿に城館内に個室を用意させるという事は、止事無やんごとない高貴な身分の御方の血統を受け継がれていられるのでしょうか?。


『心底よりの御礼を申し上げます。男爵バローン閣下』


傭兵ゼルドナー殿が恭しく深々と御辞儀をされて、伯父上に対して御礼を述べられますと。


『そなたの祖父を怒らせる危険を冒したくないだけだ。気にする必要は無い。傭兵ゼルドナーよ』


『はい。男爵バローン閣下』


伯父上は十三歳の魔法使マーギアーい殿の祖父を、高名な傭兵ゼルドナーだと仰られましたが。甥の自分が生まれる前に面識があるのかも知れません?。

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