第11話 【妻の能力】

おもちゃ達が動き回ってから5分程過ぎた頃、

「そろそろかな。」

僕がそう言うと同時におもちゃ達は一斉に動きを止めた。

ただ、空中を飛び回っていた飛行機と竹とんぼは急に止まって落ちたりせずにゆっくり、ゆっくりと部屋を旋回しながら、床に降りた。

さすが、君が作った金色の粉だと僕は思った。

ゆっくりと降りた飛行機と竹とんぼを目で追っていた雪さんと悟くんは高揚した表情で少しの間、ボーッとしていた。


「急に始めてしまったから、驚かせてしまったと思うけれど、目で見てもらった方が早いと思ったんです。これは妻が作った魔法の粉です。妻は魔法が使えました。妻の魔法の力はとても強いものでした。雪さんや悟くんの能力は妻の力を受け継いだものだと思います。ただ・・・。」

僕は雪さんと悟くんに能力の説明をしながら、悟くんの能力について、どう説明したらいいのか考えていた。

「あの・・・。悟だけではないんですか?その能力というのは・・・。私は自分に能力があるなんて感じたことも考えたことなかったのですが・・・。」

雪さんが戸惑いながら聞いていることが伝わってきた。

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