第4話
君の写真を見た途端、女性の顔はさっきまでの明るい表情が嘘のように消えて、一気に曇った。
それから、しばらく女性は君の写真を何も言わずに見つめていた。
男の子は暇を持て余して、リビングをウロウロし始めた。
僕は一度も子供を育てたことはなかったけれど、子供の扱いにはなれていた。
どんな子供も無条件に可愛いと思えた。
「これで遊んでいいよ。」
僕は君が残していった《お子様コレクションBOX》を男の子へと差し出した。
男の子が箱を開けるとキラキラした瞳で
「わぁ〜。」
と、歓喜の声をあげた。
男の子の声に反応して、女性が振り向きざまに
「すみません。ありがとうございます。」
と、会釈した。
女性の前に戻って座ると少しだけ躊躇しながら女性が
「・・・いつ頃ですか?」
と、聞いてきた。
僕は言葉を詰まらせながら、
「・・・4年前です。」
と、答えた。
女性が「なぜ?」を聞く前に僕は
「あの、それで、妻に何か?」
と、間をあけずに聞いた。
女性は僕の目を見て、
「奥様にお子さんがいたことは知っていますか?」
と、聞いてきた。
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